酸性とアルカリ、タンパク質の変性との関係

酸性とアルカリ、タンパク質の変性との関係

 

 

 

 

タンパク質の溶液に塩酸や水酸化ナトリウムなどの酸 や塩基を滴下するとタンパク質は変性する.これが pH変性である.pH 変性のおもな原因として,タンパク質 の荷電アミノ酸側鎖の解離定数が天然状態と変性状態と で大きく異なることが挙げられる.変性状態のタンパク 質の解離基の解離定数は,遊離アミノ酸のそれと同程度 であるが,一方で,天然状態の内部に存在する解離基の 解離定数は他の解離基とイオン結合を形成するために異 常な値を示すことが知られている.天然状態と変性状態 の解離定数の差が結果としてタンパク質の天然状態と変 性状態の自由エネルギーの差(G)の pH 依存性を生み だすのである.

https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/8907/8907_yomoyama-1.pdfより

 

関連

PSE現象、むれ肉

PaleSoftExudativeMeatの略。 の断面の色が淡く(pale)、やわらかすぎ(soft)、しまりがなく水っぽい(exudative)状態のを指す。

むれ肉などとも呼ばれ、精肉にも加工にも向かない。

筋肉の中のpHが5.5前後まで下がると発生する。

通常の筋肉内はpH6.5前後。

出典https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms1939/43/5/43_5_741/_pdf/-char/jaより

 

ピータンは、卵をアルカリで変性させたもの。

タンパク質の変性は,変性状態の自由エネルギーが天然状態
の自由エネルギーよりも低くなることに起因するが,変
性状態の自由エネルギーがタンパク質の構造空間の中で
いつも最小値になるわけではない.極小値は必ずしも最
小値ではないのである.変性状態よりも低い自由エネル
ギーをもつ可能性を有しているのがタンパク質の凝集状
態である.
凝集状態とは変性状態の複数のタンパク質分子が不可 逆に会合した状態をいう.このタンパク質の凝集状態に ついて最後に簡単に触れたい.タンパク質はさまざまな 条件下で変性して凝集する.高温にさらされるとタンパ ク質は熱凝集するし,特殊な条件下ではアミロイド線維 と呼ばれる一次元状の凝集体を形成する.また,界面に 吸着して変性したタンパク質は会合して単分子膜や二分 子膜だけでなく多層膜を形成することもある 8).このよ うに,タンパク質の凝集状態は変性状態から続く過程に 存在する安定状態のひとつだといえる.このようにギリ ギリの安定性を持つタンパク質は変性しやすく同時に凝 集しやすいのである.

姿を変えるタンパク質

https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/8907/8907_yomoyama-1.pdfより