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2010/4/20 小型の植物工場開発 シナジーテック、日本軽金属と共同で

日本経済新聞 2010/4/20


 照明器具設計・製造のシナジーテック(徳島県阿南市、大栗克俊社長)はアルミ最大手の日本軽金属グループと共同で、発光ダイオード(LED)照明を使った水耕栽培専用の小型ハウスを開発した。プレハブタイプの建物と植物を植栽するケース、棚、循環ポンプ、LED照明、空調機器をセットにし価格を抑えた。植物工場への参入を検討する企業や農業分野を研究する学校向けに売り出した。

 共同開発した専用ハウスは横幅と奥行きが2メートル、高さ2.8メートル、広さは約4平方メートル。植栽ケースを計8個並べることができる。太陽光の代わりに白色LED照明を利用する。照明1本にはLEDチップを40個装着。2本並べて使用する場合は光が植物に当たる面は、2万ルクス以上の明るさを得ることができる。

 LED照明を使った水耕栽培は、LEDが発する熱を抑えるのが課題だが、同社は植物に与える水をポンプでくみ上げ、照明器具の内部のパイプに流す「水冷式」を取り入れた。また、空調機器で温度調整をすることもできる。LEDは蛍光灯に比べて消費電力が少ないため、空調と循環ポンプを合わせても、電源は通常のコンセントでまかなえるという。

 外部は日軽金グループの軽量の強化アルミを採用。携帯電話の基地局に使われているボックスを植物工場用に改良した。屋外に設置する基地局は風雨から精密機器を保護するほか、機器が発する熱をコントロールする必要があり、一定の温度管理が必要な植物工場のハウスの素材に適しているという。

 価格は空調機器やポンプなどをすべて合わせて200万円を想定している。また、広さ9平方メートルのタイプもあり、栽培する種類や規模に応じて選ぶことができる。据え置きタイプと、キャスター付きの移動式も可能。建築確認申請は不要だ。このほど徳島市の福祉施設にデモンストレーション用に設置した。

 天候に影響されず農産物を計画生産できる植物工場は新規参入が相次いでいる。同社は2009年、水冷式の水耕栽培実証プラントを開発。ミツバやバジル、ミントなどの植物栽培の研究を続けており、一部は無農薬野菜として飲食店に納入しているという。同社は専用ハウスを主力商品に育て、13年にはグループで約10億円の売り上げを見込んでいる。
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