チューニングについて・あれこれ
パワーがあるだけでは速く走れない

チューニングと言えばすぐにパワーアツプを思い浮かべますが、パワーがあるだけでは速く走れません。

たとえば筑波サーキットでテストしてみました。日産フェアレディZレースカー617馬力と、インプレッサWRXのストリート仕様351馬力で走り比べると、なんとインプレッサWRXのほうが走りやすくてタイムが速いという結果がでました。

これはなぜかというと、コーナーでの限界スピードは馬力に関係なく路面抵抗とタイヤのグリップと車のバランスで決まるからです。

馬力の大きな車でのコーナリングは以下のような特徴があります。

・コーナー直前に高いスピードでコーナーに進入できますが、その分、最適スピードに落すまでのブレーキに時間がかかりやすくなります。

・コーナーにタイヤの性能以上のスピードで進入してしまうとオーバーランしやすくなります。

・コーナーからの立ち上がりではタイヤにかかるパワーがタイヤの容量を超えやすく、その場合ホイルスピンしてしまい前に進まない時間ができます。

このように大きなパワーだけではコーナーは速く走ることは難しく相当なテクニックを要します。

直線では、馬力が大きい車が有利ですが、コーナーの多いコースでは馬力よりもタイヤと車のバランスが優れるクルマの方が速い(運転しやすい)です。

パワーアップよりタイヤをいいものにするほうが速く走れる

ニュルブルクリンクの走行会にインプレッサWRXのノーマルを持ち込みテストしてみました。

・ノーマルのストリートタイヤ・・・8分40秒ぐらい

・スポーツタイヤのミディアム・・・8分20秒ぐらい

・ スーパーソフト・・・7分42秒

実に1分も速くなりました。20kmで60秒ということで、1kmあたり3秒近く速くなりました。3秒って致命的に速いです。

クルマをチューニングするのもいいけどタイヤは最も簡単にタイムアップするための道具ですね。

さらに筑波でテストしました。一周が短いのでタイムに差がでにくいのですが、以下の結果になりました。

・315馬力のWRXにスポーツタイヤのミディアム・・・1分5秒ぐらい。

・331馬力のWRXにノーマルのストリートタイヤ・・・1分6秒ぐらい。

なんと馬力の少ないノーマルWRXが速いです。タイプBは直線で速いのですが、コーナーへのブレーキに時間がかかるのと、コーナーの途中でアクセルを踏み込めないので、結局ノーマル仕様のクルマに負けました。

やはりタイヤの性能がいいほうが走りやすいです。

さらにタイヤの性能を変えてテストしてみる予定です。