スバルとトヨタが共同開発をおこなう小型の後輪駆動(FR)スポーツカー。そのコンセプトは、「絶対的な速さを求めるのではなく、誰でも楽しめる、敷居の低いスポーツカー」と、開発に携わるスバル商品企画本部副部長・上級プロジェクトマネージャーの増田年男氏は語る。
2008年の資本・業務提携をきっかけに、「両社の持ち味を活かしたクルマを作る」として、トヨタが企画・デザインを、スバルが開発・製造をおこなうことで小型FRスポーツを市販に向け開発することが決定した。
増田氏は、「単に作業を分担するという形ではない。デザインの段階からスバルも積極的に携わっている。両社の持ち味を1とすると、1+1が3になるような、新しい価値をお客様に提供していきたい」
新開発のパワートレインはスバルが持つ水平対向エンジン(ボクサーエンジン)技術と、トヨタの直噴による高効率燃焼技術を組み合わせたエンジンを開発する。
プラットフォームはFRながら、スバルの「シンメトリカルAWD」技術をベースとしたものになる。
「ボクサーエンジンとAWD技術を活かしきった形でFRパッケージを仕立てる。これはチャレンジ。」
ボクサーエンジンとシンメトリカルAWDによる低重心、バランスの良さを活かし、高いハンドリング性と、誰でもスポーツ走行を楽しむ事ができる運転のし易さを実現する。
エンジンの搭載位置はスバルの従来モデル比で120mm程度低く、240mm程度キャビンに近づける。
「大人のスネの位置にエンジンがあるイメージ。ゴーカート感覚の走りを実現する」(増田氏)
現在はFRスポーツとしてのベストバランスを見極めるため、走行試験や検証をおこなっているという。
増田氏は、「敷居の低いクルマに仕上げる」と繰り返す。「基本性能に忠実に、楽しい走りをすることに特化し、素直でシンプルなクルマにする」とその特徴を語った。
実車がお目見えとなるのは今年12月の東京モーターショー。
2012年春に群馬県太田市にあるスバルの本工場で生産を開始する。
<レスポンス>より抜粋【写真集こちら】
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