モナコ・モンテカルロ・ラリー

栄光のモンテカルロ

モータースポーツ界に世界ラリーチャンピオンシップが創設されたその年から開幕戦といえばモナコのモンテカルロラリーである。

中世騎士伝説が息づく「モンテカルロ」

1990年代前半までは、スタート前にヨーロッパ各地5カ所からスタート地モナコを目指しての走行が行われていた伝統の長距離イベント。中世騎士が領主の招集に駆けつける様を継承した姿だ。最終日の表彰式にモナコ公国の宮殿でアルベール大公から銀の賞杯を賜るこのイベントは、今年で76回目を数える世界で最も長い歴史を持つ伝統的ラリー。

今でも世界中のラリーストが憧れる、最もステイタスの高いイベントだ。ここ数年3日間が恒例となっていた競技日程も2008年は4日間となり、古来を彷彿とさせる雰囲気が復活する。

古来のモンテカルロといえば、うねるような山岳路を夜通し走り抜けるモータースポーツの祭典。かつて、闇夜を切り裂くが如く表れる「チュリニのナイフ」と呼ばれたヘッドライトが見え始める度に沸いたこの峠は、今でもWRCを代表する伝説のスポットだ。この名所・チュリニ峠を走破するステージが今年 2008年に復活し、最終日のSS15/17として登場する。

モナコの街

世界の富豪が集う高級アパートメント、青い海に大型クルーザーの白い帆が光るヨットハーバー、夜ごとハイソサイエティの社交の場としてきらびやかなに着飾った貴婦人、そして紳士が集うカジノ、荘厳とそびえるフレンチ・アルプスの山並み・・・ヨーロッパ人憧れの保養地モナコが織りなす最高のロケーションに、WRCとF1というふたつのモータースポーツ世界最高峰イベントはいずれもここを舞台としている。2007年、クリス・アトキンソンが熾烈な4位争いの決着をつけたこの市街地サーキットステージが、今年もモンテカルロのフィナーレを飾る。

変わりやすい天候・路面コンディションとの戦い
真冬の高地という状況柄、天候が刻々と変わるモンテカルロでは、全くのドライから、つぎはぎのように点在するウェット部分、凍り付いたアイス路面から雪まで、路面の状況が瞬時にも変わっていく。こうした変化にバランスよく対応するタイヤ選択が、このラリーでの勝負の鍵を握る。

2008年のWRCでは新ルールにより、全4WDマシンがピレリタイヤを履いての真っ向対決を展開する。

モンテカルロラリーの特徴・路面

変わりやすい天候・雪、氷、アスファルト・路面コンディションとの戦い

真冬の高地という状況柄、天候が刻々と変わるモンテカルロでは、全くのドライから、つぎはぎのように点在するウェット部分、凍り付いたアイス路面から雪まで、路面の状況が瞬時にも変わっていく。

こうした変化にバランスよく対応するタイヤ選択が、このラリーでの勝負の鍵を握る。

2008年のWRCでは新ルールにより、全4WDマシンがピレリタイヤを履いての真っ向対決を展開する。

スバルとモンテカルロ

SUBARUが初めてラリー・モンテカルロを制したのは、グループA時代の1995年。

SUBARUからの参戦2年目となるカルロス・サインツ(スペイン)が、開幕戦で勝利を挙げた。

ワールドラリーカー元年の1997年には、ピエロ・リアッティ(イタリア)がSUBARUインプレッサWRC97での初勝利を決めた。

そして2002年、SUBARUに移籍した伝説の天才ラリードライバー、トミ・マキネン(フィンランド)がSWRT移籍後の初参戦・初勝利に加え、このイベントでの4連勝という偉業を達成したのが記憶に新しい。

1995 優勝 カルロス・サインツ インプレッサ
1997 優勝 ピエロ・リアッティ インプレッサWRC97
2002 優勝 トミ・マキネン   インプレッサWRC2001

2008年のラリーモンテカルロ

第76回ラリー・モンテカルロ
開催日 2008年1月24日(木)〜27日(日)
スペシャルステージ 19本 合計365.09km
総走行距離 1,736.03km

フランス南東部の中核都市リヨンにほど近いヴァランスを拠点にフランスアルプスの舗装山岳路を走る4日間イベント。1月24日は夜間ステージを2本行い、金曜日・土曜日はそれぞれ6本ずつ走行し、最終日は名物ステージの「チュリニ峠」を含む4本を経てモナコに移動。市街地サーキットでの最終ステージでイベントを終える予定。

2007年のスバルチーム

チームは今年も昨年と同じペター・ソルベルグ/フィル・ミルズ組とクリス・アトキンソン/グレン・マクニール組がSUBARUインプレッサWRCを駆る。チームが迎える変化の一つはタイヤサプライヤー。2007年はBFグッドリッチとの新たな契約により、新しいタイヤで戦いに挑む。

・結果

この年は全コースのほとんどに雪がなく、雪と氷のモンテを期待したファンには物足りない年になった。

ドライで普通の舗装道路のイベントに近い形となりローブに優位になった。

スバル勢はアトキンスが4位、ソルベルグは6位だった。

優勝はシトロエンのローブ。

2006年のコース

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