
2016年3月、植物工場

金属イオンと殺菌作用
http://www.juntsu.co.jp/qa/qa1315.html
より抜粋
日本は梅雨から夏にかけて高温多湿な日々が続きます。このような環境の下では,細菌類にとって理想的な繁殖条件と言えます。水 溶性切削液のタンク,空調冷却水系,園芸ハウスなどは適当な栄養源があるためまさに絶好の繁殖場所と考えられます。そこで,各種殺菌方法となぜ銅イオンに 至ったのか説明します。
1. 各種殺菌方法のトライ
(1)防腐剤(抗菌剤)の投入
殺菌はできるが持続せず,薬剤のアミン臭が新たな悪臭になり,アミン系薬剤の人体への影響も心配。
(2)浮上潤滑油の除去
撥水加工した杉皮の油吸着材まで開発し,浮上油を完全に除去したが,腐敗防止にはならなかった。
(3)エアレーション
冬季には多少効果があったが,梅雨時の腐敗防止には無理であった。
(4)土壌バクテリアの添加
消臭効果があったが,何世代か繁殖後に死滅し,そのタイミングを把握するのが困難で,コストも1Lで数万円と非常に高かった。
(5)低温殺菌
腐敗した切削液を0℃以下に保持すると,好気性菌は生存していたが,硫酸塩還元菌は死滅した。殺菌には有効であったが,設備費があまりにも高く実用化は断念した。
このようにいろいろ試みましたが,やってみると意外に難しく,満足する結果は得られませんでした。
2. 銅イオン殺菌に至る経緯
昔から重金属イオンによる殺菌作用は知られています。これに注目し,銅や銅合金を加工している工作機械では切削液が全く腐敗し ないことを知り,某伸銅メーカーの工場を見学したところ,はじめは白っぽいエマルションが長い間使用すると銅イオンにより青い色になるが交換はしていない とのことでした。
このエマルションを分析したところ銅イオンが150ppm以上も含まれていました。
この事実をもとに,ドラム罐内の水溶性切削液に電気分解で銅イオンを発生させる装置を設置し,長期間テストした結果,殺菌できるうえカビにもかなり有効なことが確認されました。
銅以外の金属,例えば銀や水銀,クロームなどのイオンでも当然殺菌できますが,人体に対する安全性の点で銅以外は非常に危険で 使用できないのです。銅イオンは,1985(昭和60)年に文部省「環境科学」特別研究人体影響班によるサルでの長期実験で安全性が確認されているうえ, 銅製品製造工場では銅イオンによる職業病が発生したことがないことも確認されています。
3. 細菌数および金属イオン殺菌効果
任意の場所,状況での銅イオン発生装置を用いて行った殺菌効果を表1に示します。
これまでのテストで分析を実施した結果によると,一般細菌,嫌気性菌やカビを全滅させることも硫酸還元菌のみを選択的に全滅させることも可能だということがわかります。
硫酸還元菌を減少させると他の菌が多くても悪臭は消えます。水溶性切削油の銘柄,希釈濃度,水の質,微生物の種類と数など各社各様ではありますが,腐敗臭を消すことのみが目的であれば銅イオン濃度で15〜20ppm程度のもので可能です。

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