2017年 NEWS webより
松山にハーブの植物工場 三福グループ、愛媛の飲食店開拓
2017.02
松山市を地盤に不動産事業など手掛ける三福グループは4月、同市にハーブの植物工場を開設する。ハーブは特徴のある風味を出すための食材として飲食 店の間で人気が高いが、全国的に栽培農家が少ない。植物工場で安価なハーブを栽培、年間を通じて安定的に供給できるようにし、飲食店による業務用食材とし ての需要を開拓する。
工場はグループの統括会社、三福ホールディングス(松山市)が設置、運営する。3500万円ほどを投じて土地、建物 を保有する郊外の倉庫を改造中で、発光ダイオード(LED)照明を光源にして水耕栽培をする。各苗は種まきの段階から35〜40日かけて栽培する。植物工 場は関連事業を手掛けた経験がある専門家から指導を受けて開設。1〜2人の体制で運営、管理する。
出荷は愛媛県内の飲食店を対象に5月か ら開始する予定。15グラム入りを販売単位の1パックとし、1日1000パックほどを出荷できるようにする。出荷価格や新事業の売り上げ規模は明らかにし ていないが、価格は露地栽培される通常のハーブに比べ2〜5割安くできる見通しだという。
栽培するハーブはバジル、ルッコラ、パクチー、 イタリアンパセリなど10種類ほどを予定。供給先は当初、愛媛県内にある飲食店30店ほどを見込む。ハーブは南欧料理や日本の創作料理の業務用食材として 人気が高いが、露地栽培による供給量が少なく、「定番メニューへの採用が進んでいない」(三福ホールディングスの中矢孝則社長)。全国的にまだ珍しい植物 工場の方式でハーブを栽培し、年間を通じて安定供給できるようになれば、需要を喚起し「新しい市場を創り出すことができる」(中矢社長)と考えている。
配送は地元の青果卸に委託。出荷先の飲食店は三福ホールディングスと青果卸で手分けして開拓する。需要動向をみながら工場の拡張や松山市内の別の場所での 新設も検討するが、供給先は愛媛県外には広げない。比較的規模の小さな投資と設備で事業化できるため、県外で希望する企業があれば、工場建設や運営につい てノウハウを供与をする方針だ。
三福グループは三福綜合不動産(松山市)、三福ホールディングス、三福テナントインフォリンク(同)など 10社で構成。年間売上高は約30億円、従業員数は約150人。不動産の仲介、開発のほか自動販売機の設置・運営やフィットネス施設・マッサージ店の運営 などを手掛けている。
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