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植物工場と遺伝子操作・インターフェロン 2013

インターフェロン(: Interferon、略号:IFN)とは動物体内で病原体(特にウイルス)や腫瘍細胞などの異物の侵入に反応して細胞が分泌する蛋白質のこと。ウイルス増殖の阻止や細胞増殖の抑制、免疫系および炎症の調節などの働きをするサイトカインの一種である。

医薬品としては、ウイルス性肝炎等の抗ウイルス薬として、多発性骨髄腫等の抗がん剤として用いられている。

インターフェロンはかつては希少で高価だったが、遺伝子操作により細菌培養細胞での大量生産が可能になった。現在医薬品として多くのインターフェロンが承認され、B型肝炎C型肝炎などのウイルス性肝炎、またいくつかの腫瘍の治療や白血病の治療に用いられている。 wiki

遺伝子組み換え植物による医薬品の原料の生産

・環境への拡散を防止するため、密閉した人工光型植物工場で作物を栽培する。

・高品質な原料には環境制御が必須で人工光型植物工場で環境制御する。露地や太陽光ハウスでは不可能。

イチゴでインターフェロンを生産、人工光型植物工場で。

http://www.nippon.com/ja/features/c00503/

産業技術総合研究所(産総研)の北海道センターが開発した植物工場は、医薬品に使用する遺伝子組換え植物を育て、製剤まで行う世界初の施設。

ここでは、イヌの歯周病(※)治療薬の原材料となるイチゴが栽培されている。イチゴが治療薬の原材料となるのは、特別なタンパク質を作る遺伝子が組み込まれているからだ。医薬品などを生産する遺伝子組換え作物の栽培には、組換え遺伝子が他の遺伝子と交雑して生態系へ影響を与えないための閉鎖設備が必要だが、そうした設備を持つ植物工場はこれまで存在しなかった。しかしこの工場では、医薬品に使用する遺伝子組換え植物を栽培し、製剤に至るまでをすべて密閉した空間で行うことを世界で初めて可能にした。

工場は、一般の植物工場にはない組換え遺伝子の拡散を防止するための設備を備えている。設備は陰圧制御されており、施設内の空気は外に流れない。設備内の空気はすべてろ過してから排気し、排水もすべて滅菌したのち処理する。工場へ出入りするには必ずエアーシャワーを浴びなければならず、人や物の出入りや動線を厳しく制限することで、組換え遺伝子の拡散リスクを管理している。

工場の中央に約30m2の栽培室が二つあり、完全に人工的な環境で、土を使わない水耕栽培を行っている。LED、蛍光灯、高圧ナトリウムなどを使った高度人工照明システムが採用され、光の波長や強度の調整によって植物の種類に最適な光環境を実現。夏の日差しも再現できるので、従来の植物工場では難しかった強い光の必要なイネやトウモロコシも栽培できる。

栽培室内には、約300個ものセンサーが取り付けられ、室温や照明、風向きなどが厳密にコントロールされている。そのため、どの場所の植物も同じ条件で栽培できる。

「食料用ではなく、医薬品の原材料とする品質の高い植物を安定して生産するために、環境条件のばらつきがあってはなりません。ここは栽培条件が一定で、植物に最適な栽培条件を再現できるため、一般の植物工場よりも生産性が高く、収穫量は通常の4〜5倍となる作物もあります」と同研究所生物プロセス研究部門の松村健(たけし)植物分子工学研究グループ長は言う。

伝子組換えとは、遺伝子そのものを操作することで生物に新しい性質をもたらし、有用なタンパク質などを作る技術である。従来、植物の遺伝子組換えと言うと、害虫や病気に強い食料用の植物を作るといったイメージが強かったが、この技術を使えば望んだ性質を持つ品種を早く確実に得られるため、新薬の開発や遺伝病の治療にも応用できると期待されている。

この植物工場では、イヌ インターフェロンの遺伝子を導入したイチゴを栽培し、イヌ歯周病治療薬を製造している。

インターフェロンとは、細菌やウィルスに感染したときに細胞から分泌されるタンパク質のこと。

イチゴを使うのは、組織培養や栽培のノウハウがあることや、種子からではなく、根・茎・葉などの栄養器官から植物を繁殖させる栄養繁殖が可能なためだ。工場では、1年間に300kgのイチゴを生産し、100万匹以上のイヌに与えるインターフェロンを製造できる。

イチゴの栽培期間は約5カ月。遺伝子組換えをしたイチゴの株を増殖させ、苗を作る。その後、植物工場の栽培室に移され、それから4カ月ほどでイチゴが実る。おいしそうに実った果実には、インターフェロンが含まれている。果肉を粉砕し凍結乾燥して粉末にし、それを錠剤などにしてイヌに与える。

通常、インターフェロンやワクチンの投与は、注射で行われる。しかし、食べるのなら手軽だし、動物へのストレスも少ない。注射針などの医療器具も必要ないのでコストも大幅に軽減できる。さらに、「インターフェロンやワクチンの成分は植物の細胞の中に含まれており、いわばカプセルに入っている状態。体内に入っても壊れにくいので、インターフェロンやワクチンそのものを経口投与するよりも効果が高く、投与する量も少なくて済みます」と松村グループ長は説明する。
2005年から始まった植物工場の開発は、照明や空調などを担当する設備メーカーに加え、医薬品メーカーや農業団体などとの産学官の共同プロジェクトで行われた。2007年1月に完成し、植物の栽培がスタート。それ以来、松村グループ長をはじめとしたメンバーは、植物の生育状態から施設の稼働状況まで常に把握してきた。植物工場からは1分おきに室内のデータが送られてくる。その膨大なデータをもとに改善を積み重ね、遺伝子組換えイチゴの栽培を軌道にのせていった。
「工場では、高品質の組換え植物を完全に閉じ込めた状態で安定生産できます。このシステムが確立すれば、世界に先駆け遺伝子組換え植物による医薬品の実用化が期待できます。成果を世界中で開発されている遺伝子組換え植物の実用化に活用すれば、植物バイオ産業の振興に大きく貢献できると考えています」

イチゴの他にも、鳥インフルエンザワクチンを発現するジャガイモや、コレラワクチンを発現するイネやタバコなど付加価値の高い遺伝子組換え作物の栽培に成功。このノウハウをもとに二つ目の工場が今年の10月に完成する予定だ。

 

植物工場の建物は鹿島建設が担当した。

http://www.kajima.co.jp/news/press/200704/24a1fo-j.htm

鹿島(社長:中村満義)は、独立行政法人産業技術総合研究所(吉川弘之理事長 以下産総研という)が北海道札幌市に計画した「北海道センター密閉型遺伝子 組換え植物工場」の設計、及び施工を担当。2月末に産総研に引渡しを行いました。本施設は世界初の「密閉型遺伝子組換え植物工場」であり、鹿島のエンジニ アリング技術の粋を集めて完成させました。

学校法人北里研究所の生物製剤研究所が遺伝子組換えジャガイモを用いた経口投与型インフルエンザワクチンを開発

http://innoplex.org/archives/6828

 
学校法人北里研究所の生物製剤研究所(埼玉県北本市)では、独立行政法人産業技術総合研究所の北海道センター(北海道札幌市)との共同で、経済産業省による戦略的技術開発委託事業(植物機能を活用した高度モノ作り基盤技術開発/植物利用高付加価値物質製造基盤技術開発に係るもの)により、遺伝子組換えジャガイモを用いた経口投与型インフルエンザワクチンを開発した。
 
学校法人北里研究所の生物製剤研究所らは、インフルエンザウイルスのHA(ヘマグルチニン)およびNP(ヌクレオプロテイン)タンパク質を発現する遺伝子組換えジャガイモの植物工場における水耕栽培に成功し、以下の特長をもつワクチン原材料であることを確認した。
 
1.高病原性鳥インフルエンザ(以下「HPAI」)に対する家禽用追加免疫素材
近年国内でも被害が頻発しているHPAIに対して、注射型不活化オイルワクチンが備蓄されているが、接種後の経時的免疫減衰に伴い無症状のままウイルスを排出する無症候性キャリアの発生が危惧される等の理由により、その使用は控えられている。
 
同所らは国立大学法人北海道大学と共同して、注射型ワクチンによる免疫が減衰した鶏に対し組換えジャガイモを経口投与することで免疫の再誘導を促し、ウイルス排出抑制効果を確認した。この成果により、注射型ワクチンと併用することで無症候性キャリアの問題が解消されるだけでなく、投与の簡便性、安全性および経済性の向上ならびに家禽への負担軽減などの効果が期待できる。
 
現在、最適ワクチンプログラムの確立および防御対象ウイルスの検討等の基礎的研究の継続と、実用化へ向けた大量生産及び供給体制の構築を行っている。
 
2.マウスで亜型交差的防御を確認
A型インフルエンザウイルスはHAとNAの抗原性により亜型に分類されており、現行のヒト用ワクチンでは亜型が異なるウイルスに対して十分な防御効果が期待できなかった。同所らは国立大学法人北海道大学と共同で、この遺伝子組換えジャガイモもしくは上記抗原を投与したマウスへの感染試験によりA/H5N1インフルエンザウイルスのみならず、異なる亜型のA型インフルエンザに対しての有効性を確認した。将来、同成果を活用することでいわゆる新型インフルエンザへの対策ツールの開発が期待できるだけではなく、「経口投与型ワクチン」実現の可能性を示唆するものと考えられる。

ノーステック財団の密閉型植物工場、遺伝子組み換え植物による物質生産を実証研究へ

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFC0100H_R00C11A7L41000/

北海道科学技術総合振興センター(ノーステック財団)は1日、遺伝子組み換え植物などを人工的に栽培できる「植物工場」を札幌市内に建設すると発表した。建設費は10億円で、約6億円を国が補助する。企業に開放し、道産農産物を原料にした医薬品開発に役立ててもらう。

 11月から産業技術総合研究所(産総研)北海道センターの敷地内で植物工場を建設し、2012年6月に完成させる。延べ床面積は910平方メートル。工場を密閉し、実験的に栽培する植物の花粉が外部に出ないようにする。

 植物工場では、遺伝子組み換え作物の開発や、水耕栽培の収量拡大技術、植物から効率的に医薬成分を抽出する技術を研究する。製薬会社や食品メーカーなどを対象に貸し出す予定で、年内にも公募する。

 ノーステック財団は、北海道大学や産総研などが進める基礎研究を植物工場を使って実用化につなげる。産総研が進める犬の歯周病を治す「イヌインターフェロン」を含んだイチゴ開発の基礎研究を実用化できれば、「道内農産物の付加価値の向上にも役立つ」(同財団)という。

 同工場建設にあたり、経済産業省の「先端技術実証・評価設備整備補助金事業」から補助金が支払われる。全国28研究機関が応募し、11機関が採択された。

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