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2010年4月21日 LED市場

LED照明とは

 LED(Light Emitting Diode)は「発光ダイオード」と呼ばれ、電気を通すと光を放つ“半導体”(光る半導体)のことである。

 光の三原色(赤・緑・青)の内の赤色と緑色が最初に開発され、1970年代に黄色、1990年代には日本のメーカーによって青色が開発された。青色の開発によって1996年には白色が開発され、表示用中心だったLEDが、一般照明用として実用化が可能になった。
発光効率向上や量産効果で、一気に普及価格帯へ

 LED照明はランニングコスト(維持費)の点で優位だが、光源となるLED素子が高価であったことからイニシャルコスト(購入費)の高さが普及のボトルネックになっていた。

 しかし、発光効率改善によるLED素子の輝度向上や液晶バックライト向けの需要拡大により、LED素子のコストダウンに向けた道筋ができつつある。

 実際、LED照明の価格下落はここ1年余りで急速に進んだ。昨年3月、東芝ライテックが1個1万円程度で市場投入した後、同6月にはシャープが 4,000円という低価格で家庭用照明事業への新規参入を表明し、業界に衝撃を与えた。その後もNECライティング、三菱電機オスラム、パナソニックなどが相次いで市場参入を表明。

 さらに最近では、ドウシシャが2,000円を切るLED電球を発表する、といった具合である。LED照明の低価格化は一般消費者の認知度を高めることになり、LED照明市場全体の離陸に弾みをつけることになろう。
2012年のLED照明、国内照明市場の4分の1に

 照明市場はLED照明の普及により成長期に入ると予想されている。世界の照明市場(管球類+照明器具)は2008年度推定で約9兆円だが、 2012年度には11兆円規模への拡大が見込まれている。

 LED照明市場が2008年度の3,000億円程度から2012年度には2兆3,400億円程度へと8倍に増加することが大きく貢献する(表-2 参照)。

 日本でもLED市場の立ち上がりにより、照明市場全体は2008年度の8,750億円から2012年度には9,780億円へ拡大し、LED照明市場は2012年度に2,220億円と国内市場の22.7%(4分の1弱)を占めると予想されている(表-2参照)。
照明のほか、植物工場の需要も

 LED照明の普及によりLED素子メーカー、LED製造装置メーカー、照明器具メーカーのみならず、様々な関連ビジネスが広がることが予想される。

 これらの中で特に(1)LED実装、(2)LED電球販売、(3)植物工場の分野が注目される。

 (1)LED照明は赤外線を出さないことから、照明が当たるところが熱くならないというメリットがある一方で、LED自体は熱に弱い(製品寿命の短縮につながる)ことで、基板実装には工夫が求められる。

 高価なはんだ付け装置や、アルミ基板を使わずに済むMCSP工法により低コスト化を図っている企業が注目されよう。

 (2)LED照明の販売競争激化はすでに述べた通りだが、昨年11月にドウシシャが1,980〜2,480円の低価格で売り出した「ルミナス電球」は、販売が好調とされる。

 (3)LED照明の応用分野としてユニークな展開が期待されるのは植物工場だろう。植物工場とは、施設内で植物の育成に必要な環境をLED照明や空調、養液供給等により人工的に制御して、季節を問わず連続的に生産するシステムである。

 無農薬での栽培や安定的な収穫が可能であり、健康志向のライフスタイルにもマッチする。農林水産省と経済産業省は日本全国で約50か所ある植物工場を2011年度末までに150か所に増やすべく、補助金政策などを行っている。

 工業検査用画像処理用LED照明装置で世界シェアトップの企業が連結子会社を通じて植物工場ビジネスを展開しているほか、環境試験機器の世界トップ企業は自社の環境制御技術を活かして植物工場ビジネスを展開するなど、これまで農業とは無縁だった企業が続々と植物工場の関連事業に参入し、実績を上げつつある。

 鈴木東陽(すずき・とうよう) 日本証券アナリスト協会検定会員。証券専門紙や経済誌、三洋経済研究所などを経て、現在、 いちよし経済研究所シニアアナリストとして、 投資セミナーや経済講演などに従事。
(2010年4月21日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/kouza/kabuka2/03/20100420-OYT8T00909.htm
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