四国八十八カ所巡り / 旅行絶景癒やし

四国八十八ヶ所　33番【雪渓寺】高知県

2020年5月21日

直前の32番からはクルマで11km20分。平地で道路脇にあるお寺ですのでアクセスは簡単です。お寺の目の前に無料駐車場あります。
臨済宗妙心寺派の寺院: 四国八十八ヶ所霊場の中で、2ヶ所しかない臨済宗の寺院の一つです。
弘法大師開基: 弘法大師が四国御巡錫の際に開基したと伝えられています。
眼鏡の伝説: 失明に近い眼病ながら、裸足で7回目の遍路をしているところを太玄和尚に救われたという伝説が残っています。
鎌倉仏像の宝庫: 本尊の薬師如来像は運慶晩年の作といわれ、国の重要文化財に指定されています。
雪渓寺の周辺
桂浜: 雪渓寺からほど近い桂浜は、坂本龍馬像で有名な観光スポットです。
高知城: 高知市のシンボルである高知城も、観光に訪れる価値のある場所です。

寺伝によれば空海（弘法大師）の開基で、創建当初は真言宗に属し、「少林山高福寺」と称したという。

『土佐国編年紀事略』には嘉禄元年（1225年）、右近将監定光なる人物が高福寺を創建したとする。天正16年（1588年）の長浜地検帳には「慶雲寺」とあり、この頃までに慶雲寺と改称していたことが窺える。[1]。

寺に伝わる毘沙門天および両脇侍像は、毘沙門天像の足枘銘から湛慶の真作と判明し、高福寺創建の嘉禄元年（1225年）頃の作と推定されている。ただし、湛慶作の仏像が都から遠く離れた土佐に伝わった経緯は定かでない[2]。鎌倉時代に仏師運慶と長男の湛慶が来山して「慶運寺」と改めたという伝承もある。

その後、寺運が衰え、廃寺となっていたが、天正年間（1573年 – 1593年）の後期に月峰和尚が住職となり、土佐国の戦国大名長宗我部元親の後援で臨済宗の寺として復興した。慶長4年（1599年）の長宗我部元親の病没後、当寺は長宗我部家の菩提寺となり、元親の法名「雪蹊恕三大禅定門」から「雪蹊寺」と称した。

江戸時代初期には「南学発祥の道場」といわれ天室僧正が朱子学南学派の祖として活躍、野中兼山などの儒学者を生み出した。

明治時代になると廃仏毀釈により明治3年（1870年）廃寺となり、翌年、後方に隣接して当寺所蔵の長宗我部元親坐像を神体とした秦神社が建立された。その後、大玄和尚により復興した。なお、その間の納経は、31番竹林寺で「高福寺」の名でされていたという。

境内

本堂：平成16年改築
大師堂：明治43年建立
鐘楼：昭和52年改築

馬頭観音堂：昭和6年改築、馬頭観音は旅の安全を守るとされ、遍路の信仰が厚い。天井には松洞庵・横井五仙の天女絵が描かれている。
安産子安地蔵堂：平成16年改築
霊宝殿：本堂の背後に建ち昭和32年建立、本尊・薬師如来を含む重要文化財の全16躰が保存されている。平成26年11月12〜16日一般公開された。
太玄塔・玄峰塔：17代山本太玄住職、第18代山本玄峰住職の供養塔。
長宗我部信親（元親の長男）の墓

石柱門から境内に入ると右に鐘楼、左に手水場がある。正面に本堂が建ち、その右横に大師堂がある。本堂左手に客殿・納経所があり、その左に馬頭観音堂がある。

宿坊:なし。
駐車場：10台、大型5台（要志納金参考までに普通車で100円）

重要文化財

木造薬師如来および両脇侍像 3躯 – 檜材寄木造、漆箔、玉眼、像高：中尊140.0cm、左脇侍（日光菩薩）173.3cm、右脇侍（月光菩薩）172.4cm,、鎌倉時代
附:木造十二神将立像10躯 – 檜材寄木造、彩色、玉眼、像高：1号像87.2cm・2号像84.6cm・3号像85.5cm・4号像88.9cm・5号像89.8cm・6号像84.5cm・7号像82.8cm・8号像86.2cm・9号像88.0cm・10号像83.5cm、鎌倉時代・海覚作

木造毘沙門天および脇侍吉祥天・善膩師童子（ぜんにしどうじ）立像 3躯 – 檜材寄木造、彩色、玉眼、像高：毘沙門天166.5cm・吉祥天79.7cm・善膩師童子71.7cm、鎌倉時代、湛慶作。毘沙門天像の足枘の墨書銘に「法印大和尚位湛慶」とあり、湛慶の数少ない真作の一つとわかる。毘沙門天像の右腕と左手首などが失われている。