【お釈迦様の脳科学(苫米地英人)】「無明とは縁起を知らないこと」
釈迦の教えを先端科学で解説すると、とてもわかりやすいものになる。仏教の歴史から大乗仏教と日本仏教の成り立ちを解説、そして釈迦の教えの「空」「輪廻」などは現代ではどのように説明できるのか。
著者であり天台宗の僧籍を持つ認知科学者、苫米地英人が釈迦の教えを明解に説き明かします。
今回は、苫米地英人さんの、「お釈迦様の脳科学」です。
・無明とは縁起を知らないこと
縁起というのは、ものごとの関連性です。
事象を見るときに表面的に見るだけでは無知であると苫米地英人さんは言います。
そうではなく、それはどうしてなのか、どのような事柄とどのように関連しているのか
それはどういうものでできているのか、歴史は?
などなど、それにまつわることがらに考えを広げていきます。
そして、最終的にはすべてを統合する宇宙に結びつけます。
これは、苫米地英人さんがよく使う「抽象度を上げる」ということになります。
・世界を変えよう
ソニーやホンダの成功は、物質世界の結果だけを求めるのではなく
世界を変えよう
という発想があったからだと苫米地さんは言います。
抽象度の高いビジョンを描くということです。
・入法界品は理想的なセルフコーチング
苫米地英人さんは、入法界品が理想的なセルフコーチングだと言います。
入法界品とはなんでしょうか。
『入法界品』(にゅうほっかいぼん)とは、大乗仏教経典『華厳経』の末尾に収録されている大部の経典(品)。サンスクリットの原題は『ガンダヴィユーハ・スートラ』(梵 : Gandavyūha Sūtra)。
スダナ少年[1](スダナ・クマーラ、善財童子)が、文殊菩薩に促されて悟りを求める旅に出発、53人の善知識(仏道の仲間・師)を訪ねて回り、最後に普賢菩薩の元で悟りを得る様が描かれる。
一説には、東海道五十三次の53の数字の由来は、この『入法界品』にあるとされる[2]。Wikipediaより
ということで、善財童子が様々な人に会いながら教えを受けて悟りを開いていく物語です。
華厳経「入法界品」は、スダナという名の少年(善財童子)が仏教に目覚め、文殊菩薩の勧めにより、53人の善友(善知識)のもとを次々に訪ねて教えを乞 い、その旅の最後に弥勒菩薩や普賢菩薩にも教えを受けて、ついには悟りの世界(法界)に入るという物語。
53人の善友の中には、菩薩や修行僧だけでなく、 女神や仙人、バラモン、船頭、医者、商人、子供、遊女なども含まれており、仏法というものは、職業や身分、年齢や性別などには関係なく、いかなる人からで も学びうることが象徴的に説き示されている。
本書は、大部の「入法界品」の全章を簡明な文章でまとめた抄訳であり、教えのエッセンスや粗筋を手軽に知りた い読者には恰好の書といえよう。
まとめ
仏教に関する豊富な情報が満載でした。
また苫米地さんのベースに流れる抽象度をあげる思考と、その方法が書かれています。
有意義な本でした。