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鉢の中の物語り | |||||
小さな植木鉢がありました。 花が4本咲いています。 まっすぐで一番背の高い花がお父さん。 その横の二番目に背の高い花がお母さん。 その下に咲いているふたつの花がこどもたちです。 こどもたちは、太陽の光りを浴びたいのですが、両親の大きな花とたくさんの葉が太陽の光をさえぎっていて、なかなか満足に光を浴びることができません。 仕方なく首を右に寄せたり左に寄せたりしながら、光を浴びています。 でも、それを見るたび両親は「まっすぐ伸びなさい、きみたちは親の顔色ばかりうかがっている」と言います。 一方のこどもたちも「両親はなにもわかってない」といいます。 こどもたちの茎はいつのまにやら曲がってしまいました。 その鉢の土の中のようすをみてました。 根元を見るとびっしりと四本の花の根っこが、からまりあって身動きできない状態になっています。 お互いの根っこは成長する隙間も無く、ただ、みんなは息苦しく時間を過ごしているだけでした。 こういう状態は自然な状態ではありません。 この状態から成長はありません。 このままでは根っこが腐って親もこどもも枯れてしまいます。 どうすればいいでしょうか。 簡単なことです。こどもの花を大きな鉢に植え替えてあげればいいのです。 いまの状態からの移植は少し痛みがともないます。 根っこがからまりあっているので、どうしても切り取らないといけない部分があるからです。 痛みを望まないのなら早めの植え変えをするべきです。 それはお互いの根っこがからまる前、こどもたちが、自分で光りを求めてきたとき。 植え替えが終わって数日後、親の花も、こどもの花もまっすぐにたくましく成長を始めました。 めでたし、めでたし。 |
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