日本人は初めて会う人とはまず、名刺交換をしますよね。僕、最初はこれにびっくりした。その人がどんな人物かということよりも先に、地位と肩書きを紹介される。すごく違うな、と感じました。
それと、日本の場合、幼稚園から大学まで細かくランク付けされていて、どこそこの幼稚園に行かなかったらいい会社に入れないという暗黙のルールもありますね。これはデンマークにはない、というよりも、デンマーク人にはまったく理解できないシステムだと思います。
日本とデンマークでは会社に入るまでのプロセスがまったく違います。
まず、私立の学校がほとんどない。デンマークの場合はほとんど公立。高校まではだいたい誰でも進学できます。進学できるかどうかを決めるのは中学校の成績で、成績は悪いけれどどうしても進学したかったら、もう一年多く通うなどの選択肢がある。
大学に関しては、高校時代の成績で学べる分野が決まります。成績が良くないと医者や弁護士になるための学部を選択できないということはありますが、どこの大学に入るかは個人の自由ですし、日本のような大学入試制度はありません。
だから、卒業して一斉に入社試験を受けるのもなし!毎年、その時期になったら会社が何人募集する、というのもあり得ない、まったくない!
日本では高校を卒業すると、すぐに大学に進学しますよね。これに対し、デンマークではだいたいみんな浪人します。その間、世界中を旅して歩く人もいれば、 アルバイトをして働く人もいる。そうすると、人間として成熟もしますし、十分に遊んでいるので、大学に入る時点では勉強したくなっているわけです。
日本は競争が激しいので、何をするにせよ、それだけ多く稼がないといけない。そこは、デンマークと違う点だと思います。
だけど、ずーっとマメにマメに働いていると、すごく疲れて新しいアイディアが何も出て来なくなる。みなさんもそうだと思いますが、アイディアが湧く時って、パソコンの前に座っている時じゃなくて、散歩していたり、お風呂に入っていたりする時ですよね?
だから、「よく遊び、よく働く」! これ、とても大事なことだと思います。
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これもちょっと日本では珍しいかも知れないのですが、去年くらいからフルタイムでは働きたくないなと思い始めまして、自分から提案して月曜日から木曜日までの週4日勤務にしてもらいました。だから、今は毎週末、ロングウィークエンドという感じです。
副業もデンマークでは民間でも公務員でも、だいたい許されています。だから、僕は大使館に勤めながらも、週末を利用してデンマークの暮らしを紹介する本を書いたり、テレビに出たり、料理をしたり、小田原で畑を作ったり、と自分の好きなことをしています。
デンマークの会社はけっこう厳しいですよ。仕事ができないとすぐクビになります。 そう。それに、日本のように課長だった人が自動的に部長に昇進する、ということもありません。ない、まったくない。
たとえば、民間企業で部長ポストが空いたとしたら、通常は社外も含めて一般公募します。要するに、そのポジションに最も適した人を選びたいわけな ので、長く勤めているからとか、社内の人間だとか、年齢・性別も一切、関係なし。だから、自分より年下の人間がマネジャーになることもよくあります。
まあ、これいい面・悪い面、両方あると思いますが、要はフレキシブルなワークフォースを維持したい。じゃあ、なぜ、それができるかといえば、セーフティネットが十分に整備されているからだと思います。
デンマークだったら、仮に僕が明日クビになっても、次の仕事を探すまでの間は国がなんとか生活を保障してくれる。日本の場合、どこの企業に入るかで自分の将来の社会保障が大きく変わるでしょ。たとえば、フリーランスだったら、保障はほとんどない!
デンマークにはフォルケホイスコーレという成人のための教育機関もありまして、誰でも何でも好きなテーマを選択し、1週間から1年までのコースで比較的安 い費用で学ぶことができます。テーマはなんでもいい。哲学でも手芸でも、映画を作りたいということでもいい。そうやって必要な知識やスキルを身につけてか らまた働く、ということもできるので、解雇されても大きな不安に晒される、ということはありません。
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ずっと無職のまま公園で暮らしている人、もちろん、デンマークにもいますよ。でも、みんな、そんなに大きな心配はしていません。だって、普通に考えて、それが多数になることはないでしょう。そういう生活はいずれ飽きてしまいますから。
人生は一度しかないのですから、いろんな経験をした方がいい。デンマーク人が定期的に仕事を変えたり、副業をしたりするのは、ずーっと同じことばかりしていると飽きてしまうからですよ。 |