【温泉・火山】火山ガス、硫化水素などに注意、窪地に近寄らないこと
温泉街を歩いていると硫黄の匂いがそれらしき雰囲気を演出してくれるのですが、人のいない山間部などでガスが吹き出している付近の、くぼ地は要注意です。
火山ガスの成分と毒性
火山ガスは、マグマ中の揮発性成分で火口や噴気孔などから噴出するガスのことです。
火山ガスの90%は水蒸気。
その他の気体で1番多いものは二酸化炭素ガスと、残りは硫化水素や亜硫酸ガスなど。
温泉地で特有の卵の腐ったような匂いは硫化水素です。
H2S、硫化水素、山腹の低温ガスに多い危険物質 、腐卵臭
硫化水素(りゅうかすいそ、英: hydrogen sulfide)は化学式 H2S をもつ硫黄と水素の無機化合物。
無色の気体で、腐卵臭を持つ。
空気に対する比重は1.1905で、くぼ地にたまりやすい。
山の中腹の温度の低い噴気孔からのガスに多く含まれます。
また、火山地帯にはH2Sガスを含む温泉も多く、入浴中のガス事故も発生しています。
毒性が強く許容濃度は10 ppmで、400 ppmを超えると生命が危険となり、700 ppmを超えると即死すると言われています。
H2Sガスは0.06 ppm程度でも臭気を感じ、低濃度ではいわゆる“卵の腐った臭い”がしますが、
高濃度になると臭気が感じなくなり、濃度が致死量を超えていても嗅覚で知覚できないケースもある。
無色、水によく溶け、弱い酸性を示し、腐った卵に似た特徴的な強い刺激臭(腐卵臭とはそもそも硫化水素が主成分の臭いである)があり、目、皮膚、粘膜を刺激する有毒な気体である。悪臭防止法に基づく特定悪臭物質のひとつ。噴火口や硫黄泉などの臭いが「硫黄の臭い」と形容される場合があるが、硫黄は無臭であり、これは硫化水素の臭いをさしている。
毒性は、化学的な反応性の高さによる皮膚粘膜への刺激性とミトコンドリアに所在するシトクロムcオキシダーゼの阻害が挙げられる。
シトクロムcオキシダーゼ阻害作用は非常に急速に発生する。
高濃度での暴露を受けた場合には数呼吸で肺の酸素分圧が低下することによる呼吸麻痺を起こし、呼吸中枢が活動できなくなる結果昏倒に至る。
この現象は「ノックダウン」とよばれる。
皮膚粘膜への刺激性は中長期的な影響となり、気管支炎や肺水腫を起こす
硫化水素は独特の臭気があるが嗅覚を麻痺させる作用もあり、高濃度で匂いを感じなくなる。
従って濃度が致死量を超えていても嗅覚で知覚できないケースもある。
即死濃度(800〜1000ppm)以上
600ppm 約1時間で致命的中毒
200 - 300ppm 約1時間で急性中毒
100 - 200ppm 症状:嗅覚麻痺
50 - 100ppm 症状:気道刺激、結膜炎
5ppm 日本産業衛生学会における許容濃度
0.41ppm 不快臭
・硫化水素と腐食
腐食されるもの
ゴム、銅、銀、銅の合金、アルミ青銅、
二酸化硫黄、SO2、HF、HCL、高温な噴火口の近くに多い
高温のガスに特徴的なHF、HCl、SO2は刺激臭を伴い、
許容濃度はそれぞれ3 ppm、2 ppm、5 ppm(アメリカの基準では2 ppm)で、
致死濃度も500 ppm〜1,000 ppmと極めて毒性が強いガスです。
これらガス成分は活動的な火口や高温で活発な噴気孔からのガスに多く含まれています。
これら火山の火口付近は登山禁止になっていたり、近づきにくいこと、また刺激臭が強いためその存在が容易に検知されることなどの理由で、阿蘇山の例を除けば、これらガスによる死亡事故は起こりにくいといえます。
二酸化硫黄(にさんかいおう、英: Sulfur Dioxide)は、化学式SO2の無機化合物である。刺激臭を有する気体で、別名亜硫酸ガス。化石燃料の燃焼などで大量に排出される硫黄酸化物の一種であり、きちんとした後処理を行わない排出ガスは大気汚染や環境問題の一因となる。
二酸化硫黄は火山活動や工業活動により産出される。
二酸化硫黄は呼吸器を刺激し、せき、気管支喘息、気管支炎などの障害を引き起こす。
0.5 ppm 以上でにおいを感じ、
30-40 ppm 以上で呼吸困難を引き起こし、
100 ppm の濃度下に50〜70分以上留まると危険。
400 ppm 以上の場合、数分で生命に危険が及ぶ。
500 ppm を超えると嗅覚が冒され、むしろ臭気を感じなくなる。
高濃度の地域に短時間いるよりも、低濃度地域に長時間いる場合の被害のほうが多い。
空気よりも密度が高いのでくぼ地にたまりやすい。
火山ガスの主成分は水蒸気(H2O)で、90%以上含まれています。
H2O以外の化学組成はその温度によって異なり、温度の高い火山ガスにはHF、HCl、SO2、H2、COなどが多く含まれ、温度の低い火山ガスではH2S、CO2、N2などが主成分となります。
対策
有毒ガスは空気より重いのでくぼ地に溜まりやすい。
したがって、
くぼ地には近づかないこと。
火山地帯でのガスが噴火している場所では長時間の滞在はしない。
出典
http://contest.japias.jp/tqj2010/120298/ejecta.html
http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/koukai/02/hirabayashi.html
http://www.klchem.co.jp/blog/2012/04/post_1745.php
Wikipedia
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