東京オートサロン2012でのBRZ
「東京オートサロン2012 with NAPAC」のスバル・ブースには、トヨタとの共同開発によって生まれた新型FRスポーツ「BRZ」が2台出展されていた。1台はスバルのモータースポーツ部門「STI」によるチューニング。そしてもう1台は、スバル車専門のパーツ・メーカー「プローバ」がカスタムした車両だ。
まずはスバルのモータースポーツ統括会社である「STI(スバル・テクニカ・インターナショナル)」が手掛けたBRZからご紹介しよう。
最初に目が行くのは、東レ株式会社の協力によって製作されたというカーボン・ルーフとカーボン・ボンネット。車両重量を軽減すると同時に、重心を下げる効果があるという。STIの担当者の方によれば、カーボン・ボンネットは歩行者保護もきちんと考えてデザインされているそうだ。乗ると違いは分かりますか?とに尋ねてみたところ、「若干の差異は感じられる程度」とのお答え。紫外線にも強いコーティングが施されているので、耐久性に関しては問題ないとのこと。
エアロ・パーツはフロント・バンパーの下部に付けられたアンダー・スポイラーと、トランク・リッドの上でコの字を描くトランク・スポイラーの2点。意外と控え目だ。リア・スポイラーに関しては、「ハイマウント・ストップ・ランプの照射角を遮ぎることになるので、ダックテールのような形状にはできなかった」そうである。
STIチューンの真骨頂は、車体剛性を上げると同時にしなやかな走りを目指すという、ボディおよび足回りに装着されたパーツの方だろう。ボンネットを開けると、すでに「インプレッサ WRX」用パーツとして販売され高評価を得ているフレキシブル・タワーバーが目に入る。"フレキシブル" の名前通り、ただボディを固めるのではなく、入力をいなす、という発想によって開発されたこのパーツは、コーナリング性能はもちろん、直進安定性や乗り心地なども含めた総合的な走りのレベルを向上させるそうだ。
足回りには、このモデルのために特別に製作されたビルシュタイン製ダンパーをSTI製コイルスプリングとともに組み込み、ピロボールブッシュ・リヤサスリンクを装着。この辺りのメニューも、これまでSTIが手掛けてきたチューニング・パーツやコンプリート・カーによって効果は実証済み。STIブランドの18インチ・ホイールには、ダンロップ製「ディレッツァ ZII」タイヤを履く。興味深いのは、フロントが215/45R18、リアは225/45R18と、前後で異なるサイズが選ばれていること。ブレーキはお約束のブレンボ製。キャリパーはブラックに塗られていた。
ノーマル同様左右から2本出しというスタイルを採ったスポーツ・マフラーは、STIの方によれば「ファイン・チューニング・レベル」だとか。他にも、水冷オイルクーラー、スポーツ・オイル・フィルターのような走行性能に関係するものから、オイル・フィラー・キャップ、ラジエター・キャップ、バッテリー・フォルダーなどの小物まで、様々なパーツが投入されているが、その全てが今のところ参考出品という形になっている。エンジン本体に関しては、トヨタ系チューナーと足並みを揃えるかのように手付かずのまま。インテリアは、シフトノブだけがSTI製に交換されていた。
http://jp.autoblog.com/2012/01/14/tas2012-subaru-brz-sti/
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