【クルマ】導風板と断熱シートで吸気温度を下げてパワーと燃費の両立
吸気温度と外気温との差を15℃以内にしたい
吸気温とは、エアクリーナーを通ってエンジンに吸入される直前の温度です。
「
吸気温が 30度ちがうと25馬力ぐらいちがう。
1kmで1秒ぐらい変わってくる。
SSでは10kmぐらい走ると吸気温が70度ぐらいまで上がってくる。
新井選手
」
自動車メーカーは吸気温度は外気温との差が10数℃以内が最もパワーロスがないと考えているようです。
出典(1)
実際、吸気温度が40℃を超えるとパワーダウンを感じます。
空燃比について
ガソリン1gの燃焼には空気14.7gが必要であり、ガソリンにおける理論空燃比は14.7となる。(wikiより)
・気温、気圧、湿度との関係
・外気温が高いとガソリンが気化しやすくガソリンは濃くなる。
・気圧が低いとガソリンの気化が増えてガソリンが濃くなる。
・湿度が高いと空気が減りガソリンは相対的に濃くなる。
ガソリンの気化について
・ガソリンは充分に微粒子に細分化されているほうが気化しやすく燃焼しやすい。
・気温が高いほどガソリンは気化しやすいが、気温が高いと空気に含まれる酸素が少なくなるのでパワーダウンする。
・気温が低いほど空気に含まれる酸素は増えるので気温が低いほどよいかというと、そうでもなく、気温が5℃以下になるあたりからガソリンが均一に気化しにくくなる(出典こちら)
・ガソリンパイプに磁石を付ける等のオカルト?チューニングがある。
これはガソリンの流れをよくする効果もねらっている。
また帯電していないほうが気化しやすいので、それをねらった部品も考えられる。
吸気温度とノッキング
吸気温度が高くなると酸素が減り、不完全燃焼が起きやすく、ノッキングを起こしやすくなります。
ノッキングとはエンジンのシリンダー内部で不完全燃焼したガスが異常なタイミングで爆発すること。
ノッキングはエンジン損傷の原因になりやすいので注意が必要です。
ターボ車
ターボ車は吸入温度が上がると極端に性能ダウンするが、
また低くすぎると排圧が上がることでタービンが多く回り、過給圧が上がってオーバーシュートして、チェックランプが点灯してしまうことがある。
出典 (1)
・渋滞後の急加速は禁止
長い渋滞ではエンジンが高温になります。
渋滞を抜けたときに一気に急加速すると熱い吸入空気によりノッキングが起きてエンジンを損傷する可能性があります。
渋滞からでたら、しばらく一定速度で走りエンジンと吸気温度を下げてから加速しましょう。
吸気音を実測してみた
計測日 南国、徳島の9月
1. 渋滞のとき
夏場の渋滞時に吸気温の表示を見てびっくりました。
外気温が30℃ぐらいだったのですが(これは標準のメーターで確認)、
そのとき吸気温は50℃以上になっていました。
2. 走行後、エンジンを停止して20分ほど炎天下に駐車。
その後、エンジンをかけたまま3分ぐらいナビを操作していたら、吸気温は60℃にも上昇しました。
外気温は25℃です。
これではパワーダウンするし燃費もよくない。
そこで立ち上がったのが吸気温度プロジェクト
試行錯誤
さまざまなアイデアをひとつずつテストしていきました。
結果的には、導風板、ダクトの断熱などが効果ありでした。
モフPの吸気温度プロジェクトのまとめ
step | 装備 | 温間での
気温との差の 最低値 |
気温との差の
平均値 |
通勤時間帯での
気温との差の 最高値 |
コメント | データ数 |
0 | ノーマル | 未計測 | +15.5 | +27 | 外気31℃での渋滞含む | 2 |
1 | 内部下アルミ | +6 | +7.5 | +10 | 温間で+7,+8℃で推移。渋滞などで一度高くなるとなかなか下がらない。 | 2 |
2 | 外上アルミ | +3 | +3.5 | +6 | 温間で+3,+4℃で推移するが、渋滞などで一度高くなるとなかなか下がらない。 | 2 |
3 | パイプv2 | +4 | +4.2 | +7 | インテークにパイプをつけました。いまいち。ピーク値低減を発見。 | 5 |
4 | パイプv3ファンネル | +1 | +4.6 | +7 | パイプにファンネルを着けました。平均値は、いまいちっぽいが、スタート後にすぐ下がるようになったのと最低温記録も達成。巡航時の効果がありそう。それと見た目がいいので着けときます。 | 8 |
5 | 内部上アルミ | +7 | +7 | +7 | よくない。データ数が少ないけど不採用。 | 1 |
6 | フルカバー | +4 | +4 | +5 | 効果ありそうだがデータ数が少ない。手間がかかったのでそのまま着けときます。 | 1 |
7 | パイプv5直結パイプ | +2 | +3.5 | +10 | エアクリまで直結するパイプです。なかなかいい感じで来てます。
+10℃は夏場の昼間の渋滞中での計測でした。 |
7 |
8 | 断熱シート巻き | +2 | +3.5 | +7 | 吸気温の上昇速度を遅くする事ができました。◇巡航時 ・50km以下では、+4℃。 ・50km/h~90km/hで、+3℃ ・高速道路で90km/h以上だと外気+2℃で安定します。また、市内渋滞で高温になっていても高速道路に入れば3分以内に+2℃まで下がります。 |
多 |
9 | 導風板取り付け | +1 | +3,+4 | +6,7 | ねらい通り、高温時から下げることに成功しました。
外気温+1℃まで下がることもあり、期待通りというところです。ひとまずプロジェクトは一段落っぽいです。 |
多 |
効果、外気温プラス2℃ぐらいまで下がる
・高速道路では、どんなときでも、吸気温度は、外気温+2℃で安定します
・渋滞時に停止またはノロノロ運転しているときは吸気温度は上昇しますが、渋滞をでて少し走ると外気温プラス2℃か3℃に下がります。
効果はバッチリ
まず渋滞とか高回転で十二分にエンジンルームに熱が回ってからでも、3分ほど60キロ程度で走れば外気+2,3℃にまで下がるようになりました。
朝夕の通勤時はほとんど+2, +3℃で推移するようになりました。
高速道路では90キロを超えれば+2℃。それ以下では+3で安定です。
また、峠を走ったあとでも、60キロぐらいで巡航したら+1まで下がることもありました。
かなりの導風板の威力と思われます。
ボンネット周辺が、いくら高温に熱くなっていても、たいてい60キロで巡航すれば3分ぐらいで外気+3に落ち着きます。
当初の目的は達成された感があります。
以上の結果から、いまは、断熱シートと導風板
を使用しています。
ダクトの断熱シート
今回は、断熱シートを作成し、インテーク周りをぐるぐる巻きにすることにしました。
断熱シートは、発泡スチロール??みたいな梱包材にアルミテープを貼付けて自作しました。
かなり効果がありました。
しかし時速50キロ以下での走行では温度の下がりがいまいちです。
そこで以下↓↓になります。
導風板の取り付け
これがいちばん効果が大きいと思います。
取り付け前に、ノーマルの状態では、以下↓↓のせまい場所から空気を吸い込んでいます。
フロントグリルを取り外してボンネットを閉じて見ると、
隙間など無いに等しいぐらいでした。これでは大量の外気を取り込むときの抵抗が大きいでしょう。↓↓↓
そこで厚手のアルミ板を以下↓↓のように切って導風板としました。
走行することで強制的に風を送り込みます。
めだたないように前を黒く塗装しました。
グリルを取り付けて完成です↓↓↓全部塗装したほうがよかったかな。。
出典
1. https://catalog.tezzo.jp/2015/02/tec_rep_150208/