■粘度を考える
鉱物系から半合成系
鉱物オイルと半合成のオイルでは、粘度を高くして皮膜を保持します。ですので高回転のエンジンと高熱になりやすいターボ車などは、粘度の高いnW-50ぐらいのオイルがよいと言われています。
エステル系
エステル系では粘度で皮膜を保持することは必要ありません。
それでは粘度は、なにの指標になるのでしょうか。わたしのは、「エステル系のオイルにおいては、粘度はフライホイル的役割を果たす」と考えてます。
つまり粘度の高いオイルは大きなフライホイルとして働きます。したがってトルク増大効果があり、坂道での速度低下の防止や高速時の速度の持続効果が期待できます。例MOTUL300V CHRONO10W-40
粘度の低いオイルは小さなフライホイルとして働きます。つまりアクセルに敏感に反応するエンジンになります。しかしパワーの少ないエンジンではトルク不足になり坂道でのパワーダウンなどにつながります。例MOTUL300V PowerRacing 5W-30
もうひとつ最近思うことは、コーナリング中での油圧低下の防止のために粘度もひとつの指標になるのではないかと考えます。サーキットなどで高速かつ高回転でコーナリングする場合、油圧低下するのですが、粘度が高いと油圧を高く保持できるのではないでしょうか。ただ、エステル系では電気的に皮膜をつくっているとのことなので、油圧低下が皮膜減少と結びつくのかどうかは断定できないので、さらに調査をする必要がある。 |