カフェインの分解、耐性と離脱現象

●カフェインの分解

カフェインの70%は、メチル基が取り除かれてパラキサンチンに転化する。パラキサンチンの効力はカフェインより強く作用もカフェインと似ていると考えられている。残りはテオブロミン、テオフィリンとなる。

さらにメチル基が取り除かれてメチルキカフェインの半減期は5-6時間。黄体期の女性は6-8時間に延びる。乳児では肝臓にカフェイン分解の酵素ができてないので80時間。生後6ヶ月までは成人より長い。妊娠中、授乳中はカフェインはとらないほうがいいという医者が多い。サンチンになり、さらにメチル基が取り除かれてキサンチンになる。ともに刺激作用はない。

喫煙すると半減期は短くなり三時間ほどになる。

カフェインの経口致死量は少なくみても5000mg。濃いコーヒー40杯を短時間でとることに相当する。

●カフェインの耐性と離脱現象

カフェインの影響はアルコールにくらべて非常に小さい。カフェインはもっとも安全な気分転換の薬であろう。いろいろな病気との関係がこれまでくわしく研究されてきたが、コーヒーを一日あたり3-4杯までなら病気との関係がないことがわかっている。ただし妊娠中と授乳期の人は禁止。

運転をはじめる前に飲んだカフェインのおかけで居眠り運転しないですんでいるドライバーがたくさんいる。アメリカではタバコで40万人、アルコールで10万人死んでいる。対照的である。

しかしカフェインが、脳の機能を変化させることはまちがいない。この変化が耐性のひきがねとなる。

カフェインの影響は人により様々で、コーヒーを飲んで眠る人もいるし、逆に寝付けなくなる人もいる。アデノシン受容体の量と質が人によりさまざまであるためかもしれない。脳は、カフェインがアデノシン受容体をブロックしたことを関知して、アデノシン受容体を増加させる。これをアップレギュレーションと呼ぶ。

カフェインを長期投与したマウスの実験で、カフェインは、アデノシン受容体を20%増加させ、GABA受容体を65%増加させ、セロトニンとアセチルコリン受容体も増加させた。

カフェインの耐性は早い場合は三日で起きる。だいたい一週間で耐性ができる。

離脱現象

耐性ができるのになぜ人はカフェインをとり続けるのか。

それは、カフェインが抜けたときに起こる離脱現象が原因。

離脱現象で多いのが頭痛である。
あと、うつ状態、疲労感、過眠、神経過敏、筋肉の緊張などがある。

離脱現象はカフェイン摂取後12-24時間以内にはじまり、20-48時間後にピークになる。正常に戻るには一週間かかる。
カフェインを日常的に飲んでいる人は朝が離脱症状になるのだ。ぐったりして、いらいらしやすく疲労感がある。そのままカフェインをとらないと午前中に頭痛がおきる。カフェインをとるとおさまる。