無農薬で栽培されて虫食いになった野菜は安全なのでしょうか。
一時「虫食いの野菜は無農薬の証拠だから安全」、と言う人がいたそうですが、科学的にまちがいです。
虫食いの植物は自衛手段として植物体内に毒素を合成します。その毒性は農薬などの比ではありません。
このように科学的に根拠のない迷信が未だに信じられていることはたくさんあります。
農薬についてもそうです。
日本の農薬には農水省が定める残留基準というのがあって、それにパスしないと農薬は商品として登録されません。
その残留基準は、「農薬が残留した食物を毎日、一生食べ続けたときに無害である」という非常に厳しい基準です。
その基準に合格した農薬が今、日本で使用されている農薬です。
農薬以上に発ガン性リスクの高い物質は自然界にたくさんあります。
では、
一番危険な物質から、グループ1(発がん性あり)、
その次がグループ2A(発がん性がおそらくある)、
グループ2B(発がん性が疑われる)、そしてグループ3(発がん性として分類できない)に分類しています。
それに従うと農薬は危険という人たちの矛盾した行動がよくわかります。
■車を運転しながら、農薬は危険だと言う人
ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンの排ガスは発がん性グループ2A(発がん性がおそらくある)に分類されています。
大都会の発がん性のある排ガスの中で生活しながら農薬は安全じゃないから無農薬野菜を探すんだ、と言う前に、まず排ガスを吸わないことや排ガス規制が先ではないでしょうか。
■酒を飲みながら農薬は安全ではないと言っている人
酒に含まれるアルコールは、発がん性グループ1(発がん性あり)です。
■ 病院でレントゲン写真をとったあと、農薬は危険だと言う人
レントゲンに使われるX線も発がん性グループ1の物質です。
■木工の粉塵の中や塗装業、靴の製造場、ゴム製造場で作業しつつ農薬は発がん性が高いと言う人
これらの環境も発がん性グループ1に分類されています。
■タバコを吸いながら農薬はやめたほうがいいと言う人
タバコももちろん発がん性グループ1(発がん性あり)です。
■紫外線はグループ1(発がん性あり)です
農薬は危険だと太陽の下で作業しながら言っている人
太陽光線に含まれる紫外線は、グループ1(ヒトに対する発癌性が認められる)に分類されています。
ヒトに対する発癌性が認められる、ということは、非常に強い警告です。
発ガンリスクを避けたいのなら太陽光の下で作業するべきではありません。
■アジア式の漬け物を食べつつ農薬は危険だからという人
これがわたしも知らなかったのですが、漬け物のいっさいが、グループ2に分類されています。
■1円硬貨をじゃらじゃらいわせながら、農薬は危険だと言う人
1円の素材のアルミはグループ2B(発がん性が疑われる)に分類されています。
農薬が危険という人は農薬より危険な1円を使わないのでしょうか。
★発がん性リスクのランキング
参考サイト・グレガリナのページ
2006.10