藍、アイ 、Japan blue
インディカン、葉の中での構造、水溶性
葉の外で加水分解し、グルコースとインドキシルに分解
ゆるやかな酸化によりインディゴが得られる。
これを凝縮して乾燥して固めたものが「すくも」という藍色の玉。
薬効成分はトリプタンスリンにあると言われている。
藍の効能
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読み |
植物・薬用部位 |
効果効能 |
使用量・方法 |
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あいそう |
蓼藍の全草 |
月経不順・痔・発熱・外傷
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5〜10g/日
煎剤・湿布 |
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せいたい |
蓼藍の華 |
解毒・消炎・殺菌・止血
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1〜2g/日
藍建てした華を乾燥させ粉末にしたもの |
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らんじつ |
蓼藍の種 |
解熱・解毒
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3〜10g 水200ccで煮詰め服用
藍実(らんじつ)の薬効は、「神農本草経」に主として体内に入った諸処の毒物を解することができて、これを長いこと服用していると年をとっても頭の毛が白くならないで、だんだん身の動きが軽くなるとされています。 |
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らんよう |
蓼藍の乾燥葉 |
虫の刺傷・腫物
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民間療法として、生の葉の絞り汁を虫刺され、毒による腫れの患部に外用する。 |
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ばんらんこん |
タイセイの根 |
感冒・咽喉炎・肝炎
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3〜6g
中国ではどの家庭にもある常備薬で、消炎、解毒、解熱、止血、抗腫瘍、抗ウイルス、抗菌に効果ありといわれ、外出から帰ったら板藍根の煎じ液でうがいをす る習慣があります。特に風邪が流行する冬場には、学校でも風邪や流感(インフルエンザ)の予防として板藍根でうがいをさせる光景が見られるそうです。
中国南部では、これにマメ科やキツネノマゴ科の藍の根なども混ぜます。 |
{ 補足 1 }
平成17年11月21日 (ニュースリリース)
タデ藍エキスの歯周病に対する効果を確認
〜 日本歯科東洋医学会学術大会で2題発表 〜
株式会社 林原生物化学研究所
このたび、株式会社 林原生物化学研究所(所在地:岡山市下石井 代表:林原 健)及び医療法人社団明徳会 福岡歯科統合医療研究所(所在地:東京都中央区 代表:福岡 明)では、タデ藍エキス(タデ藍の葉の水抽出液)に歯周病菌に対する抗菌作用のあることを明らかにし、その活性主成分を解明しました。
タデ藍に含まれるどの成分がこれら歯周病菌に対する抗菌活性の本体であるかを調べたところ、トリプタンスリンであることが分かりました。
※トリプタンスリンとは
含藍植物に特徴的に含まれる物質。林原生物化学研究所の研究により、タデ藍の持つ様々な生理作用の有効成分の中心的な物質であることが明らかになった。インディゴと共通する化学構造を持つ。タデ藍は歯周病に対する効果を始めとして様々な生理作用を持っていますが、その薬効についての科学的な解明はほとんどなされていませんでした。林原では今後もタデ藍の薬効に関する研究をすすめてゆきたいと考えています。
{ 補足 2 }藍の効果効能
開宝本草に青黛として収載されているが、別名は瀝青(れきせい)ともいわれる。
? 基源 多くの植物からえられる。
1)マメ科のキアイ(タイワンコマツナギ)の茎葉。
2)キツネノマゴ科リュウキュウアイの茎葉。
3)タデ科のアイの茎葉。
4)アブラナ科のターチンおよびタイセイの茎葉。
これらの茎葉を採集し、水に2〜3昼夜浸し葉が枝から自然と落ちるところ、枝を引き上げ、石灰を原料の約10分の一加え、十分攪拌し、液が深紅色になったときに、液面に浮いた藍色の泡沫を掬い取り乾燥したものが次品である。沈殿物を乾燥したものが「球藍(きゅうらん)」である。
植物は生産地によって異なり、福建省ではタイワンコマツナギとリュウキュウアイ、江西省ではタイワンコマツナギ、河北省ではアイ、雲南省ではリュウキュウアイ、江蘇省ではタイセイなどを原料としている。
? 産 地
中国、福建、河北、雲南、江蘇、安徽などに主産し、河北、福建、雲南が産量最大。福建産が品質最良で「福青黛」といわれる。
? 成 分 インジゴ約5〜8%が含まれる。
? 作 用 抗菌作用。
? 応 用
解熱、消炎、止血、解毒薬として利用される。口舌そう、扁桃腺炎、喉頭炎などに外用する。
? 用法・用量 煎剤、散剤、丸剤。1日1〜3グラム。
{ 補足 3 }
百華茶苑 総合薬草データベースより
板藍根の学名・英名・和名の語源
◆学名
【Isatis】〔イサティス〕属名
暗色の染料を採る植物〔大青〕に対するギリシャ名。
【indigotica】〔インディゴティカ〕種小名
〔藍色の〕意味。
◆英名
【Woad】〔ウォード〕
〔植物としての〕〔染料としての〕の大青の意味。
◆和名
【大青】〔たいせい〕
藍染め使用する植物を総称。葉を大青葉、色素を乾燥させたものを青黛(せいたい)、果実を藍実、根を板藍根と称して薬用にする。
板藍根の歴史
◆ウォードは中世〔14〜15世紀〕ヨーロッパ〔ドイツのチューリンゲン州エアフルトが有名〕で栽培されていた。特に寒さに強いので、寒冷地での栽培が多かった。17世紀になり安価で高品質のインドアイが入ってくるようになると急速に栽培が衰えた。
◆日本では近縁種の蝦夷大青〔えぞたいせい〕をアイヌ民族が用いていた。18世紀の中ごろ、中国から渡来したと言われています。ただ、古くは北海道に自生していたとも言われ、先住民族のアイヌ族がそれを使って藍染めをしていました
板藍根の安全性
クラス:1 適切に使用する場合は、安全に摂取することができる。
◆中国ではどの家庭にもある常備薬で、外出から帰ったら板藍根の煎じ液でうがいをする習慣があります。特に風邪が流行する冬場には、学校でも風邪や流感(インフルエンザ)の予防として板藍根でうがいをさせる光景が見られるそうです。
板藍根の栽培と収穫
◆園芸用種。耐寒性、日当たりと水はけの良い肥沃な中性からアルカリ性の土質を好む。こぼれ種で自家繁殖するが、連作障害を起こしやすい。
◆葉は夏に摘み取り生又は乾燥させたものを使用する。
根は、秋に堀り上げ乾燥させた刻んだものを使用する。
【参考】
http://www.blue-edge.jp/06_effect.html
藍の効果(1) 「抗菌作用」
藍抽出成分「トリプタンスリン」
皮膚炎症の80%で見られる「マラセチア菌」の抑制。この成分は治療にも使われる「硝酸ミコナゾール」の6倍の抗菌性を示しています。またあせもの原因となるブドウ球菌の静菌効果も確認されています。現在では金属やゴムによるW型反応に対して抑止効果も確認されています。
日本の藍は特に美しく深い色合いから「ジャパンブルー」と呼ばれています。
また、アメリカではガラガラ蛇をよけることから、ジーンズに用いた。
きり傷、虫刺され、あせも、かぶれ等に効果があるとされ、古くは武士が鎧の下着に用いました。
漢方薬としても使用されているが、敏感肌などに効果があります。
藍の効果(2) 「美白作用」
メラニン生成を抑制
(1) 藍はメラニン生成過程の重要な酵素であるチロシナーゼの合成を阻害します。
(2)表皮に存在するケラチノサイトは、紫外線などの刺激を受けるとプロスタグランジンE2(PGE2)や一酸化窒素(NO)を産生し、メラノサイトを刺激してメラニン生成を促進させます。藍は(PGE2)、(NO)の生成を抑制します。
これら2つのアプローチによる美白作用があり、植物エキスの中ではかなり強い美白作用を有しています。(1〜2 %アイエキス溶液でメラニン生成量を約半分に落とすデータあり)
藍の効果(3) 「抗アクネ作用」
皮脂分解酵素リパーゼの活性を抑制
アクネ菌の異常増加はニキビ悪化の原因になります。
アクネ菌が産生するリパーゼは、皮脂成分のトリグリセリドを分解し、遊離脂肪酸を生成させ、それが原因となり炎症を引き起こすとされています。
藍の効果(4)「抗酸化作用」
DPPHラジカル捕捉能及びスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)様活性を有し、抗酸化作用を示します。
☆美白・抗炎症・抗酸化・ 抗シワ・抗菌作用を発揮する「藍」は肌の老化防止・敏感肌の方のためのアンチエイジング素材です。
【参考】
http://dr-aqua.jp/products.html
藍のポリフェノールはブルーベリーの4倍の量
藍からは新種のフラボノイドが発見された。
ちなみにポリフェノールは、フラボノイドとそれ以外を含む色素の総称です。
藍の植物繊維はケールより多い。
すくも、藍玉
すくも …藍の葉を原料として作られた染料。
これを固形化したものが「藍玉」である。→藍玉
藍の葉を収穫して乾燥させた後、蔵の中で寝かせ、これに水を打って良く湿らせながら上下に撹拌し、
約75 - 90日間発酵させたものを再び乾燥させると、
無色の物質であるインディカンが酸化されて青色のインディゴへと変化して、
その色が濃くなることで黒色の土塊状の物質が出来る。
これを(すくも)と呼ぶ。
この状態でも染料としては十分使用可能であったが、運搬に不向きであったために後にこれを臼で突き固めて乾燥させて扁円形の小さな塊にすることによって運搬を容易にした。これが藍玉である。
東京オリンピックのロゴの青は、藍の青
いまごろですが、東京オリンピックのロゴ
「組市松紋」は、市松模様のパターンに日本の伝統色である藍色を配し、粋な日本らしさを表現。
http://www.fashionsnap.com/news/2016-04-25/tokoro-asao/
より
藍の歴史的な利用方法
・紙を守る
紙に藍を何度も塗り重ねて抗菌させることで長期保管する。
藍
徳島で有名な藍
藍染めに使われるんだけど、昔は、薬草にも使われていた。
ちょっと葉をかじってみた。
苦い。
薬草ってかんじがするよ(^(エ)^)♪
こちらは根
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