「天然のバイアグラ」マカに群がる中国勢、産地ペルーに殺到
2014 年 12 月 3 日
【カルフアマヨ(ペルー)】米欧などの自然食品を扱う企業は、ペルー原産の「マカ」の市場を築き上げてきた。マカとはチューリップの球根に似た、山岳地帯の高地で育つ植物の根で、精力増強に効果があるとされ、「天然のバイアグラ」とも言われている。
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その市場に今年は中国勢が参入し、ペルー中央部のフニン県には中国からバイヤーが洪水のように押し寄せている。マカの生産者によると、価格が10倍、時にはそれ以上に高騰しているという。
ペルーの専門家は、こうしたマカの買い漁りが長年にわたって築かれてきた企業と生産者の関係を壊していると指摘する。世界的に事業展開する自然食品企業は、自分たちが市場から閉め出される危険にさらされていると話す。警察当局によると、時にはマカの入った袋が強奪されるケースもあるという。
この地域の小さな農場や加工工場などで半加工された製品や乾燥されたもの、粉製品の売り上げは急増した。ペルー政府は加工前の生のマカも国外へ密かに持ち出されていると警鐘を鳴らした。当局はペルーのマカが中国で生産されているマカの品質向上のために使われていると指摘する。
ペルーの規制当局は加工されていない生のマカの輸出を禁じている。税務当局は今年、密輸される前に数トンに及ぶ生のマカを押収。当局によると、その一部はタツノオトシゴやフカヒレといった他の輸出禁止品目と同様にアジア方面に送られるところだったという。
フニン県の行政当局でマカを担当する専門家は多くの外国人バイヤーが「輸出規制に従わない」と指摘する。同専門家は、今年は440万ポンド(約2000トン)ものマカが密かに持ち出されたと推計している。
ペルーの貿易観光省によると、中国への合法的なマカの輸出額は今年1月〜9月で600万ドル(約7億円)に達し、2013年通年の54万ドルをはるかに上回っている。一方、同期間の米国への輸出額は昨年通年の680万ドルに対し550万ドルだった。在リマ中国大使館の商務担当者はコメントを控えた。
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11940430595972624884104580314341833153132
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