ワサビ(山葵)は、アブラナ科ワサビ属の植物。日本原産。食用。強い刺激性のある独特の香味を持ち、日本原産の香辛料として、以前から欧米や東南アジアで認知度の高まりを見せているが、東欧では自産のセイヨウワサビが伝統的に出回っている[要出典]。 また日本においても、家庭用練りワサビにはセイヨウワサビを本種と混ぜ合わせたものが多い。
・アリルイソチオシアネート、辛み成分
ワサビの辛味成分は、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンとは辛味成分が全く異なる物質で芥子菜など、アブラナ科の植物が多く含むからし油配糖体(グルコシノレート)の一種のシニグリンが、すりおろされる過程で酸素に触れ、細胞にある酵素と反応することにより生成されるアリルイソチオシアネート(6-メチルイソヘキシルイソチオシアナート、7-メチルチオヘプチルイソチオシアナート、8-メチルチオオクチルイソチオシアナート)などであり、抗菌効果[30]もあるとされる。
なお、成分は品種、栽培条件、収穫時期で変化する[31][32]。
また、胃がん細胞増殖抑制成分が含まれているとする研究もある[33]。
わさびスルフィニル(wasabi sulfinyl)は、国産の本わさびからわさび特有の辛みを除いた抽出した成分6-メチルスルフィニルヘキシルイソチオシアネート/6-methylsulfinylhexyl isothiocyanate (6-MSITC)を指す[34][35]。
また、様々な研究がされており、例えば名古屋市立大学院医学研究科は、神経細胞の再生を促し記憶力や学習能力を改善させることを発見したと報道された。
1日に12.5グラムを食べれば、脳だけでなく、全身で細胞の再生が促進され、認知症予防以外にも血管拡張や骨密度強化など多彩な効果があるとされる[36]。また、中部大応用生物学の研究チームは、わさびの辛味成分「アリルイソチアシアネート」が酸化ストレスを防ぐ体内酵素を活性化させ、人の老化や疾病を防ぐ一定の効果の他に抗アレルギー作用があると発表し報道された。[37]。
飛鳥時代の遺跡である飛鳥京跡苑池遺構(奈良県明日香村)から出土した木簡に「委佐俾三升(わさびさんしょう)」と書かれていた、これがわさびについて記された最古の史料とされる[2]。
718年(奈良時代)に出された「賦役令」(現代の法人税法施行令に相当)の中に「山葵」(わさび)の名前が見られる。土地の名産品としてすでに納付され、薬用として使用されていたと考えられる。
室町時代、すでに現代と同じ薬味としての利用が確立されていた。さらに江戸時代に入ると寿司、蕎麦の普及とあわせ、広く一般に普及・浸透していった。古くは自生のものを採取・利用していたが、江戸時代に現在の静岡市葵区有東木(うとうぎ)地区に住む村人が野生のわさびを栽培したのが、栽培普及の端緒と伝えられる。
wikiより
その他、ニュース
静岡新聞NEWS
ワサビ需要増へ決意 組合連合会が総会 御殿場
静岡県内のワサビ生産者でつくる県山葵(わさび)組合連合会は12日、御殿場市で第56回通常総会を開き、本年度の事業計画を承認したほか、ワサビの展示会などを行った。
塩谷広次会長は「東南アジアでワサビ栽培を模索する動きがあり、独自品種の登録、保護が重要になってくる。高品質のワサビで消費者に感動を与え、需要を伸ばしていきたい」とあいさつした。本年度の事業計画では、バイオ苗の育成や各種イベントへの出展、自然環境の保全などに取り組む。
県内各地で生産されたワサビを集めた展示会では、組合員が色や形の美しさを見比べながら、作柄などについて意見を交わした。フランス料理店を運営するドリームカムトゥルー企画(横浜市)の加藤英二社長と伊豆半島ジオパーク推進協議会の鈴木雄介専任研究員の講演も行われた。
http://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/229146.html
ワサビの辛み成分である、アリルイソチオシアネートという物質には、がんや動脈硬化などを引き起こす酸化ストレスへの抵抗力を向上させたり、脳の神経細胞の再生を促し記憶力や学習能力を改善させる効果があるそうです。
また、ペルオキシダーゼという酵素は、体に入り込んだ異物の解毒を促進したり、染色体異常を抑えたり、発ガンや突然変異を誘発する放射線から体をまもる抗がん作用があり、また、ワサビ独特の香りの成分には、血液中の血小板の凝集を抑制し、血液凝固を強力に防いてくれるため、血液がサラサラになり動脈硬化などを防ぐ働きがあって、わさび漬けの場合、酒粕の酵素との相乗効果により、この効果がさらにアップするらしいです。
ワサビ漬けなら毎日20g、ワサビなら12.5g食べるといいそうですが、刺激が強いので、胃腸が弱い方は摂りすぎにはご注意をとのことです。
http://www.mag2.com/p/news/178036
日本食ブームとともに、ワサビ栽培が世界に広がっている。栽培の難しい日本のワサビを、海外の生産者が創意工夫を凝らして地元の特産物にまで育て上げ、商業的成功を収めている。
◆日本のワサビの生産は減少
ワサビは日本原産。生育には、11〜14度程度の低い水温と、一年中変化の少ない流水が必要だ。広く流通しているものは水(または沢)ワサビと呼ばれ、水耕栽培される。すしや刺身の薬味として使用されるのは、その根茎部分だ。(日本大百科全書より)。
イギリスのテレグラフ紙によれば、ワサビの需要は急増しているにもかかわらず、手間と人件費がかかることから、日本での生産規模は縮小しているらしい。日本からの輸入物に代わり、本物を求める海外のレストランや消費者への供給元となったのが、現地のワサビ生産者だ。
◆独自のやり方で広がるワサビ栽培
イギリス南岸のニューハンプシャー州で栽培に乗り出したのが、『Wasabi Company』 のジョン・オールド氏だ。この地域は帯水層の上にあり、カルシウムに富むきれいな地下水が豊富。この水を使い、クレソンの水耕栽培が、150年ほど前から盛んだ。ある日、この地を訪れたシェフがクレソン畑を見て、まるでワサビ田のようだと述べたことから、オールド氏はワサビ栽培を思いついたと言う。日本には行ったことがない同氏だが、クレソン畑の周りに、ワサビ田の環境を整えることに成功。今では青々としたワサビの葉が、農園を埋め尽くす(テレグラフ紙)
一方、オーストラリアのタスマニアでは、十数年前からワサビ栽培が始まっている。英BBCによれば、澄んだ水、清らかな海洋環境、化学物質を使わない牧草地が売り物のタスマニアは、ナチュラルな農産物の生産地として、近年人気を集めているという。地元出身のステファン・ウェルシュ氏は、試行錯誤を重ね、ワサビのハウス水耕栽培に成功。今では豪州唯一のワサビ生産者として、『Shima Wasabi』 のブランド名で、ワサビ関連製品を東南アジアにまで輸出する。また、生のワサビは『Tetsuya’s』 などのオーストラリアの超有名レストランで使用され、生産が国内外からの需要に追い付かないほどだという(Good Food)。
バンクーバーの地元紙『The Province』によれば、カナダのブリティッシュ・コロンビア州では、『Pacific Coast Wasabi』 社がワサビを栽培。創業者ブライアン・オーツ氏が考案した「企業秘密」の温室栽培で、今では最高級のワサビをアメリカ、ヨーロッパに輸出している。
◆ワサビ利用もクリエイティブ
さて、生産者たちが力説するのは、本物のワサビの味わい深さだ。イギリスのオールド氏は、生ワサビは高価なため、市販のワサビ(粉、パック入りワサビ)は、セイヨウワサビ(ホースラディッシュ)、マスタード、砂糖、着色料でできており、ワサビ本来の複雑な味わいはないと述べる。(テレグラフ紙)。
タスマニアのウェルシュ氏は、ホースラディッシュの「背中をゴツンとたたくような」強い辛さに比べ、鋭く、甘みがあり、そしてまろやかなワサビの辛さは、「旧友からのやさしいハグ」のようだと形容。その香りを生かし、同氏のワサビは、地元のチーズ、フルーツのシロップ漬け、ビールなどに使われているということだ(Good Food)。
オールド氏は、ワサビはパンナコッタなどのデザートに合うとテレグラフ紙の記者に説明。カナダのオーツ氏は、医薬品としての可能性にも注目している(The Province)。和食ブームで知名度を上げたワサビが、各国で進化を遂げる今、海外のワサビや関連商品が日本に逆輸入される日も、そう遠くないかもしれない。
◆意外な天敵も登場
各地で成功したワサビ栽培だが、意外な天敵に悩まされることもあるという。イギリスのオールド氏によれば、ワサビ田には幼虫を狙ったカモが侵入し、ワサビを引き抜いて行くらしい。もっとも、「ワサビを狙って、オレゴン州では熊が、タスマニアではカモノハシが来る」と聞いている同氏は、カモのいたずらには目をつぶっており、抜かれたワサビを、せっせと元通りに植え直す日々らしい(テレグラフ紙)
http://newsphere.jp/world-report/20150607-1/
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