「百合花茶」
というのがあるので調べてみた。
しかし、花というよりは、つぼみの絵のようだが。。
http://www.iph.pref.hokkaido.jp/charivari/2007_10/2007_10.htm
より
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」、これは美人を形容する言葉ですが、元々は生薬の用い方をたとえたものです。漢方薬は数種類の生薬を混合し煎じたものです。それぞれの生薬は特有の薬効を有しており、症状に応じて適したものを用います。
「立てば芍薬」の”立てば”はイライラとし気のたっている女性を意味し、芍薬により改善されます。芍薬の根を使うのですが、痛みを取ったり、筋肉 のこわばりを取ったりします。「座れば牡丹」の”座れば”はペタンと座ってばかりいるような女性を意味し、それは「お血(おけつ)」(お=やまいだれ+ 於)が原因となっていることもあります。
「お血」とは、漢方で症状を表現するのに用いられる言葉のひとつで、腹部に血液が滞った状態を意味します。「お血」は牡丹の根の皮の部分(牡丹 皮・ぼたんぴ)により改善されます。「歩く姿は百合の花」は百合の花のようにナヨナヨとして歩いている様子を表現しており、心身症のような状態を意味しま す。その場合には百合の球根を用います。
このように、それぞれの症状に合った生薬を用いると健康になれます。つまり、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」は、健康な女性は芍薬・牡丹・百合の花のように美しいという意味かと思います。
生薬としての芍薬、牡丹、百合、芍薬
ボタン科の芍薬の根を乾燥したものです。皮を除去したものを白芍(びゃくしゃく)、皮付きのものを赤芍(せきしゃく)と称します。北海道でも栽培され、 調製加工後に出荷されています。芍薬の「芍」は薬の意味です。「芍薬」は「薬の中の薬」という意味なのでしょう。鎮痛、鎮痙薬。 筋肉とくに腹直筋を緩和 します。「当帰芍薬散」、「芍薬甘草湯」などの婦人に処方されることが多い漢方薬に配合されています。
牡丹
ボタン科の牡丹の根皮を乾燥させたものです。牡丹の花は豪華なので、中国では花王と賞されています。牡丹は中国の国花とされていた時代もあり、詩歌で詠 まれ絵画に描かれ愛でられてきました。独特の芳香を有し、鎮静、鎮痛、駆お血薬として婦人科疾患などに用いられます。「大黄牡丹皮湯」、「桂枝茯苓丸」な どに配合されています。
百合(びゃくごう)
ユリ科の百合(多種類が用いられている)の鱗茎の鱗片を乾燥させたものです。消炎、鎮咳、利尿、鎮静薬として用いられます。中国の後漢時代の中医学者である張仲景は、百合の精神安定薬的な効用を示しました。「百合知母湯」、「百合地黄湯」などに配合されます。
生薬の分類
中国で西暦100年頃に「神農本草経(しんのうほんぞうけい)」という人類最古の薬物書が書かれました。それは漢方などで用いられる生薬の原典です。そ の中には365種類の生薬が記載されており、それらは上薬(じょうやく)・中薬(ちゅうやく)・下薬(げやく)の3種類に分類されています。前述の芍薬・ 牡丹も記載されており、中薬に分類されています。その分類について簡単に説明します。
上薬(120種)
上品(じょうほん)とも言われる。「君と為す」と記され、薬の王様に位置づけられています。無毒で、多く服用しても、長期に服用しても人体に害を及ぼさず、長寿のためにも用いることができます。
中薬(120種)
中品(ちゅうほん)とも言われる。「臣と為す」と記され、大臣クラスの薬と位置づけられています。有毒のものも無毒のものもあるので、その性質を考慮して適宜配合して用いる必要がある。
下薬(125種)
下品(げほん)とも言われる。「佐使と為す」と記され、実際に病を治す効力を有する薬と位置づけられています。有毒のものが多く、長期に服用することは できません。たとえば下薬のひとつである附子・烏頭は、有毒なトリカブトの塊根を乾燥したもので、大量に用いると危険です。
(中略)
林 隆章
1978年北海道大学薬学部卒業。生体内酸化的障害に関する研究に取り組んでおり、酸化的ストレスにより有害な中間物質が生成する機構および生体に対する 影響について研究している。また、アレルギー食品の試験、健康食品に含まれる有害物質の試験などのヒトの健康に係わる化合物の試験に携わっている。
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