有機栽培、有機食品につけられる有機JASマークですが、これは「まったく農薬や肥料を使わない」という意味ではありません。
これは「禁止された農薬、肥料を使わない」ということです。生産者の方は安心してください。
さらに消費者は農薬や肥料の安全基準をよく勉強して、農薬、肥料の安全性を理解して、それらを使用したからといって大騒ぎしないことです。
基本的に日本の審査基準をパスした農薬や化学肥料を正しく使えば副作用はありません。
それより怖いのは、無許可の「天然物をもとにした肥料や農薬」です。いわゆる「天然物由来だから安全」という理屈ですが、これは科学的に無意味です。
安全かどうかは物質の摂取量とかかわっています。毎日、どれぐらいの量を取り続ければ副作用が現れるか、、、この量はどんな物質にでもあります。
天然物の中には、ふぐの毒、きのこの毒、竹酢の毒など、少ない摂取量でも副作用の出やすいものがたくさんあります。
醤油や塩でさえ、一日の上限摂取量がありますので、その量を越えて摂取すれば副作用がでます。
合成によるものでも天然物でも構造式が同じなら作用は同じです。
ですから「合成肥料は危険で天然肥料は安心」というのは無意味ですし、「天然農薬が安全で合成農薬は危険」というのも無意味です。
それよりも、摂取量との関係で安全性が問われるべきでしょう。
ADIとはAcceptable Dairy Intake: 一日の許容摂取量のことです。単位はmg/Kg/Dayです。
毎日、この量まで食べても副作用がでない、という量です。
農薬の審査基準は、このADIの100分の1です。
つまり、いま食べている100倍の量を毎日、一生食べても副作用がでません、という量を政府が決めて保証しているのです。いまの100倍の量を毎日食べるなんて不可能ですし、先に胃がやられますね。
■参考
・食品添加物のJECFA安全性評価(食品添加物のうち、JECFAで安全性が評価されているもの)
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