以下のニュースでおかしなところを発見した。
ソース1-------------------
「有機栽培米」に化学肥料、農水省が改善命令へ
農林水産省は9月13日、化学肥料を使ったコメを「有機栽培米」と表示していたとして、コメの生産・販売をする「藤本農園」(福井県鯖江市)に業務改善命令を出すことを決めた。
同農園は苗を育てる段階で化学肥料を使い、不正に「有機JASマーク」を付けてコメを販売していた。同省は改善命令と同時に、有機JASマークを外す「抹消命令」も出す。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070914AT1G1302313092007.html
ソース2------------------
2007/09/13-19:59 「有機米」に化学肥料=大手農園に改善命令へ−農水省
農水省は13日、化学肥料を使って収穫したコメに、農薬や化学肥料を使用していない食品だけに認められる「有機JASマーク」を付けて販売したとして、福井県鯖江市の「藤本農園」に日本農林規格(JAS)法に基づき改善命令と商品から有機JASマークを外す命令を出す手続きを取ったと発表した。
藤本農園は、有機米全体の約3%を供給する有数の生産農家。不正にマークが付与されたコメは2005年産、06年産で少なくとも88トンに上るという。
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2007091300947
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ソース1,2ともに、「「有機JASマーク」を得るには化学肥料を使ってはいけない」
と解釈できるような書き方をしている。
しかし、農水省での定義はそうではない。
「禁止されている肥料と農薬を使用してはいけない」というのが正解である。
有機JASマークについてはこちらにもまとめてます。
実際、日本で登録されている農薬や肥料は安全であるし、これらを使用せずに農作物を作れるわけがない。プロはちゃんと使って安全なものを作る。
農水省自体が安全と認めたものが登録農薬であるから、農水自らそれの使用を禁止するはずがないのだ。
もしそれを禁止すれば農水省の定めた農薬の登録基準はなんだったんだということになるだろう。
話をもとにもどす。
事件の詳細はよくわからないが、この農園は「禁止された物質を使用した」のだと思われる。
それを新聞社が誤解して書いたミスと思われる。
禁止された肥料とはなにかは不明だが、登録されていない「天然由来の肥料」かもしれない。
天然由来の物質で政府から使用可能として登録されていないものは安全とは言えないものもたくさんある。
政府により登録されているもののほうが素性がはっきりしているだけ安心である。
「農薬と化学肥料は危険」というのは賢い消費者ではない。無知なだけである。
もし日本のすべての農業から農薬と化学肥料を排除すれば、すべての作物は虫と病気にやられて北朝鮮のような飢餓の世界となる。
これは日本の病院からすべての化学合成の薬を排除することと同じである。
人も作物も同じ生命体だ。
生命を防御するために科学的な物質を使うことは科学であり「天然物だけ安心」というような迷信ではない。
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