それはひどいものです。誰もがこのような状態に落ちた経験を持っています。そして、私も例外ではありません。しかしながら、本物のプレーヤーはこのような感覚をたいていは克服することができ、そのような感覚に影響されず、しっかりとプレーできます。しか し、常にできるわけではありませんが。
チョーキングに襲われたときに起るのは、あなたの心がボールに集中するのではなくて、あらゆる類いのこと(たいていはその試合の劇的な展開について)に向ってさまよい始めるということです。あなたは、ダブルフォルトし、簡単なリターンやボレーをミスするなどしています。あなたは、あたかも自分がしっかりしたショットが一球も打てないような感覚に襲われて、非常に悪い状態になります。その時にあなたの自信は霧消し、一度それが起これば試合は終わりです。あなたは「絶好調」の丁度反対、「絶不調」状態に入ってしまいます。
最近、友人のピーターが、男子のランダムダブルスの試合中に体験した、絶不調状態について語ってくれました。彼は、どのようにして、ボールをコートに入れることができなくなってかということと、試合中に試合の負けを知ったことを話してくれました。
私が2、3週間前に私のクラブでミックスダブルスの模範試合をしたとき(ここでは、私はプロとして)、彼の経験がますます物事を興味深くしてくれました。クラブのメンバーたちは、全員がレイティング5.0で上級レベルである我々4人の試合を見にきました。あいにく、私はたぶん6カ月以上、競技としてのダブルスもシングルも試合をしてなかったのです(教えてばかりでした)。そして、ミックスダブルスは、ジュニア時代に私の人生で一回だけやったことがあるだけでした。私は、準備ができていなかったと思います。なぜならば、私からサーブを始めた最初のゲームでダブルフォルトを3回したからです(普段平均して1試合に1か2回)。そこから、坂を転げ落ちることになりました。長い話になりますが、私は、友人のピーターが、試合の最中に負けを知ったと言っていたことを考え始めました。
私が復活できるかどうかを知るめためには、絶好の機会です。すぐに0−2になりました。私は足を動かすことを考え始めました。そして、私はコートで足が動く音に聞き耳を立てました。0−3になり、私は、“トス−ヒット -バウンド - ヒット”と呼んでいるサービスリターンの方法について考え始めました。これは相手のサーブに対して“トス− ヒット - バウンド -ヒット”の4つのことを口にすることです。このことは、トスされてからこちらに飛んで来るボールにのみ集中することを助けます。そして、我々がこのゲームを取り、今や1-3になりました。
そして、次の私のサーブでは、リラックスし続けることとボールをバウンドさせながら準備しているときに深呼吸することに集中しました。接戦を落とし1-4となりましたが、私は、少し良い感触を得て、怖れを幾分取り除くことができました。次のゲームは、良いゲームでしたが取られて1−5になりました。この呼吸法の効果なのかフットワークの効果なのかわかりませんが、この1ー5の時点で、ボールを打つことに非常に集中し始め、試合とそして自分で見つけた小さな課題(足音を聞くこと、トス・ヒット・バウンド・ヒットと言うこと)をやり抜くことを楽しみ始めていました。
1−5とリードされセットポイントとなった時、私はサービスリターンをバックハンドのダウンザラインにウィナを決めました(遅くてもいい、無いよりも!)。この瞬間から我々はゲームをひっくり返しました。とうとう、最後にサービスリターンをクロスコートに決めてセットを取ってしまいました。パートナーと私は、少し当惑ぎみに顔を見合わせました。
ここで、キーとして覚えておくことは、私は、ラフなスタートをしましたけれど、自分を落着かせてくれることに集中することを試み続け、次に、ボールに集中しました。そして最も大切なことは、プレーを楽しむことだったのです。自分自身にリラックス、集中またはコンセントレートと言い聞かせることは、事態を悪化させるだけです。あなた自身をプレーに夢中にさせること、プレーすること以外は考えないことです。 このことが、手後れになる前にあなたを復活させてくれます。
チョーキングから脱出するための伝家の宝刀となるリストを持ちなさい。呼吸法から、視覚化、歌をつぶやくなどです。そして、プレッシャーが襲ってきたとき、それらのことを意識して、しっかりと自覚できることを確かめてください。この手のリラクゼーションのヒントについては、"The Real Spin On Tennis" (出版 I.C.S. Books, Inc.)や"Winning Ugly."などの本に記載されています。また、あなたのコーチが試合で、集中力を取り戻すために何をするのか、コーチに聞いてみることです。
あなたは、いつでも試合をひっくり返すことができることを忘れないでください。これも実力の内です。 常に心底、テニスを楽しむことです。こころをコントロールすることを学んでください。そしてそれを活用してください。
最後まであきらめないことです。
出典 http://www.cc.rim.or.jp/~shiro/lessons-j/JB.antichoking-j.html