■「ポーチに出よう!」
攻撃の最後にネットプレーを使うことは多いものです。
(シングルスでもダブルスでも)
これは、ネットの近くでプレーすることが有利であるという証拠です。
ということは、始めからネット近くにプレーヤーを配置できるダブルスは、
圧倒的優位な状態から試合を始められる競技と言えます。
もし、その圧倒的優位な状況を使わない人がいたとしたら?
はい、それは自ら勝利を手放しているのと同じことになります。
今日、ダブルスでポーチに出ないことは、「勝ちたい! 勝ちたい!」と
口では言いながら、実は勝ちを放棄していることを認識してください。
そして、ネットの近くにいることを最大に限利用し、
可能な限りポーチに出て勝利を収めてください。
■「弱点は徹底的に攻めよう!」
弱点を攻める時には鉄則があります。
対戦相手が意気消沈するまで徹底的に攻めるのです。
これは、格上の対戦相手に勝つときにも有効です。
反面、これは勇気のいる行動でもあります。
「スポーツマンシップに反する。」
人によってはこのように言われることもあるくらいだからです。
しかし、弱点を徹底的に攻めることは、
実は対戦相手に対して真摯な態度をとっているのです。
なぜなら、真剣勝負で勝つことに必死になっていないことこそ、
対戦相手に失礼な行為となるからです。
今日、次回の対戦相手の弱点を徹底的に攻めている
あなたを想像してみてください。
そして、そのシュミレーションを現実の試合で生かしてください。
追伸:
試合が終わった後の対戦相手の態度が気になるもしれません。
その場合は・・・・・
「先ほどは失礼しました。試合だったのでお許しください。」
真摯な態度でこの様に言ってください。
■「リズムを崩そう!」
誰しも自分の好きなリズムを持っています。
そして、そのリズムを崩されることを嫌います。
ですから、相手に力を出させないためには、相手のリズムを崩すことが有効になります。
具体的には・・・・・
・「ラリーが得意な相手にはラリーを少なくするプレーを考える。」
・「ポイントとポイントの休憩時間を短く(長く)する。」
このような方法で相手のリズムを崩すのです。
今日、相手のリズムを崩すことを考えてみてください。
■プロの勝ち方とは
「相手の力を発揮させないようにしよう!」
プロの勝ち方については誤解されています。(特に対戦型スポーツの場合)
多くの場合、相手と“ガチンコ勝負”して勝つことを目指しているように思われています。
ですが、現実は違います。
プロの勝ち方とは?
「相手の力を出させないようにしよう。」
このように考えているのです。
なぜか?
その方が楽に勝てますし、持っている力通りの戦いになってしまえば、
・「生まれつき身体能力が高い。」
・「才能がある。」
このような相手には勝てなくなってしまうからです。
戦でも、兵の少ない国が兵の多い国に勝つには、
力を出させないことを考えなければ木端微塵にされてしまいます。
■「ラリーミスもダブルフォルトも同じ1ポイント!」
「ラリーのミスは仕方がない。しかし、ダブルフォルトはもってのほか。」
このような考え方があります。
しかし、冷静に考えれば、どちらも同じミスなのです。
大事なことは、自分の特徴とミスを天秤にかけること。
サービスポイントが多ければ、多少のダブルフォルトは問題ないのです。
今日、あなたのプレーの特徴とミスの関係を見直してみてください。
そして、破壊力のあるショットを持っている場合は、
「ミスはつきもの!」
と割り切ってください。
■相手の得意なショットをつぶす
サービスの得意な方にリターンを返球し続けると、
やがて相手のプレーがおかしくなることがあります。
フォアハンドの強打が得意な方に対してしっかり返球し続けると、
ミスを連発し始めるケースもあります。
これは、「うわっ、また返された!」という精神的ショック、
「もっと強いボールを打たなければ決まらない!」との思いからの
オーバーペースなどが原因です。
そして、この悪環境に入るとプレーのリズム自体が崩れてくるので、
(特定のショットに意識が行き過ぎ、プレー全体のバランスが崩れる。)
他のショットも崩れだす傾向にあるのです。
今日、相手の得意なショットをつぶすことを考えてみましょう。
そして、
「テニスは自分が頑張るだけではなく、相手を自滅させて勝つこともできる。」
このことを覚えておいてください。
■「プレースタイルを今すぐ作ろう!」
自分のプレースタイルを持たずにテニスをされている方がいます。非常にもったいないことです。
なぜなら・・・・・全米コーチオブザイヤ―を3回も受賞したチャック・クリ―ス氏は、
「プレースタイルを作ることで、上達は数年間、前倒しできる。」
このようにおっしゃっているからです。
今日、あなたのプレースタイルが何であるか、ハッキリと決めてください。
↓
・カウンターパンチャー(相手の力を利用して打つ粘り屋さん)
・アグレッシブベースラインプレーヤー(ストロークの攻撃屋さん)
・アタッカー(含むサービス&ボレーヤ―”ネットプレーの攻撃屋さん)
・オールラウンドプレーヤー(何でもできる屋さん)
そして、上達の前倒しを確実に行ってください。
■「呼吸法パート2!」
誰しも自分なりのリズムを持っています。
そして、自分にとって波長が合うリズム、あわないリズムがあります。
そのため、
「○○さんと打つとうまくラリーがつながるけど、
××さんと打つと全くつながらない!」
このような不条理が生まれてきます。
そんな時には、
「相手が打つときに鼻から息を吸い、自分が打つ時には口から息を
吐くようにしてください。」
これで、今までよりかなりラリーが続くようになるはずですから。
そして人間は、自分の身体感覚と外的聴覚を磨くことで、
自分をコントロールすることができることを感じ取ってください。
■「うまくいっている方法を使い続け、
うまくいっていない方法は切り捨てる。」
言葉で聞くと簡単ですが、うまくいっていない方法を切る捨てることは
実は容易ではないのです。
私もそうでしたが、うまくいかない方法が自分の戦法であった場合、
固執したり、パニックになったりするからです。
今日、うまくいっていない方法をすぐに切り捨てる訓練をしてみてください。
そして、うまくいく方法を探し出し、通用する限り使い続けてください。
■プレッシャーのかけかた
「小さな事実を大きく見せよう!」
プレッシャ―のかけ方は、たくさんあります。
その一つに、「小さな事実を大きく見せる。」という方法があります。
例えば、ダブルスで始めの数ゲーム、ストレート攻撃を頻繁に行います。
すると、ビッグポイントを迎えたとき、「またストレートに来るかも?」
と思い、対戦相手は思いきってポーチに出られなくなるのです。
*(あなたが、試合中盤からほとんどストレートを
打たなくなっていたとしてもです。)
こうなると、あなたは大事なポイントで、
楽な気持ちでクロスリターンを出来るようになります。
今日、相手の頭の中に、どんな小さな事実を埋め込むんだらよいかを
考えてみてください。
そして、実際の試合で「埋め込み完了!」した場合は、
相手の頭の中で勝手に肥大したプレッシャーを“チラッ”と確認し、
大事なポイントを有利にプレーしてください。
■「テ二スは1本目が最重要ショット!」
テニスが本当にうまい人は、1本目のショットが上手です。
(もっと言えば、ラリー開始の球出しが上手です。)
なぜなら、テニスは1本目のショットがうまく打てなければ、
相手にそのボールを攻撃されてしまい、後手後手に回ることになるからです。
*(対戦相手のレベルが著しく低い場合はこの限りではありませんが。)
よく、「1本目より2本目、2本目より3本目の方がうまく打てる。」
このように“尻あがり”に調子が上がってくることがありますが、
これは練習では通用しても試合では一切通用しないことを
覚えておいてください。
今日、1本目のショットを上手く打てるように頑張ってみてください。
そして、2本目、3本目とショットを打つごとに調子を上げてきたなら、
「これは良い兆候のようで、実は危険なシグナルだ!」
このように自分を戒めてください。
相手がうまければうまいほど、あなたの1本目のミスヒットを
見逃してくれることはありませんから。
■「抜かれた数を数えてみよう!」
ダブルス前衛に立つと、ストレートに抜かれることが何より怖いものです。
(知らないうちに、サイドライン付近に寄って立っていることもしばしば。)
しかし、レベル差がものすごくある場合や、
試合中、ずっとチャンスボールが相手に行かない限りは、
実はストレートに抜かれている数は思いのほか少ないのが現実です。
「ストレートを抜かれる!」と多くの方が心配する背景には、
「パートナーに迷惑かけたくない!」との責任感と、
過去に大事なポイントをストレートで抜かれた経験が
誇大妄想的に恐怖感を増長させていることが挙げられます。
今日、1試合を通してストレートに抜かれた数を数えてみてください。
そして、実は思ったほど抜かれていない事実を発見してください。
ストレートに抜かれることを過度に心配するより、
他に前衛の方が行う大事なことはたくさんあります。
■大事なポイントでは「天才の中に入ってテニスを行おう!」
知的研究の権威であり、世界的な教育学博士である、
ウィン・ウェンガー氏のテクニック。
大事なポイントが訪れたら、あなたの憧れのテニスプレーヤーに
同化することを目指します。(例えば、フェデラー)
具体的には、その人の中に“スッポリ”入って
テニスを行うイメージを持つのです。
(ぬいぐるみに入るイメージです。)
この行為を真摯な気持ちで行うと、憧れのプレーヤーが使う戦術、
考え方を感じることができるようになってきます。
出てきた答えを、憧れのプレーヤーになりきったまま実行してみてください。
すると・・・・・
今日、天才の中に“スッポリ”入ってテニスをすることを試みてください。
そして、この非常識なテクニックが、大きな気づきを与えてくれることを
感じてください。
■「ダブルフォルトの分類を行おう!」
ダブルフォルトの背景を探っていくと、次の4つくらいに分類されます。
1・技術不足からのダブルフォルト
2・練習不足からのダブルフォルト
3・緊張感からのダブルフォルト
4・プレースタイル上、仕方がないダブルフォルト(攻撃的なサービスを軸にゲームを組み立てているため、
セカンドサービスを強く打つ必要性からダブルフォルトが増える。)
あなたは、どのパターンでダブルフォルトをしているでしょうか?
複数のパターンが絡み合ってダブルフォルトをしているでしょうか?
今日、あなたのダブルフォルトの背景を探ってみてください。
そして、問題を複数抱えている場合は、
優先順位をつけ、解決への始めの1歩を踏み出してください。
■「ボールが飛んでくるコースを確率で考える!」
ダブルス前衛における、
1・相手からのストレート攻撃
2・相手からのロブ攻撃
3・相手がクロスにいるパートナーに打つ
この比率は一般的に、1:2:7くらいになります。
■「尊敬できる師匠を持とう!」
個性は、昨日、今日ではでません。個性は“あじ”ですから、作るのに時間がかかるのです。
そのため、個性の作り方は・・・・・
1・尊敬できる師匠を持ち、徹底的にマネをします。
(歩き方、しゃべり方が似るくらいまでマネします。)
2・その師匠の持ち味で、あなたにあわない部分を消し去ります。
3・あなた独自のスバイスを加え、個性が完成。
つまり、始めは“モノマネ”からスタートし、
徐々に個性を生み出していくのが定石となります。
今日、尊敬できる師匠を探してみてください。
■「戦術を最低3つは身につけよう!」
戦では、戦術が大変重要になります。
どの場所を、どの武器で、どのように攻めるかで、
戦果に大きな違いがでてしまうからです。
テニスも同じです。
相手に対して、どの場所を、どの武器で、どのように攻めるのかを
持っているかいないかで、勝率が大きく変わってしまいます。
ですから、まずは3つ、できれば5〜7つの戦術を、
常時使えるようにしておいてください。
戦術とは・・・・・
「フォアハンドで相手のクロスコートにアングルショットを放ち、
返ってきたボールをオープンコートにフォアハンドないし
バックハンドで攻撃する。」(シングルスの場合)
このようなものになります。
今日、あなたの得意な戦術を紙に書きだしてみてください。
そしてその戦術が、今までの試合で機能していたかどうかを
思い出してみてください。
■ミスの80%は打つ前に起こっている
「準備の重要性を再認識しよう。」
テニスのミスは打つ前に80%決まっています。
なぜなら・・・・・
コートは広く、ボールは我々より速く動くため、
理想のヒッティングゾーンに入るのは想像以上に難しいからです。
そのため、フォームはもちろんのこと大事でありながら、
的確な予測と判断が結果に大きな違いをもたらすことを
強く認識する必要があります。
今日、相手がボールを打つ瞬間に、「あっ、ここに飛んでくるかも?」
あてずっぽうでも良いのでこんな風に予測してみてください。
そして、少なくともボールがネットを越えるころには、
「よし、ボールはここに来るぞ!」と最終判断を下してみてください。
これを“クセ”にしてプレーを続けていると、あなたのミスは格段に
減ることになるでしょう。
■対戦相手の情報が少ないときには?
「自分のプレースタイルを第一優先に!」
対戦相手の情報が少ない場合があります。
このとき、初めの数ゲームで相手の弱点を見抜くことも大切ですが、
まずはあなた自身のプレースタイルをぶつけてみてください。
やってはいけないことは、情報量の少ない中で勝手な判断をすること。
・「顔が怖いから強そう。」(笑)
・「ウェアが格好良いから強そう。」(笑)
・「年齢が若いから強そう。」(笑)
これらの判断は百害あって一利なしです。
今日、あなた自身のプレースタイルをしっかりと認識してみてください。
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以上の出典はこちら田中信弥の「テニスのヒント!」メルマガです。 |