ポリエステルのほうがスピンがかかる?!
摩擦が小さ くて縦糸と横糸がお互いにすべって交差点がずれ,縦糸が横に伸びて戻るときの復原力によりスピン 量が増す.
気になるレポートがテニスの科学 第14巻 2006 日本テニス学会 に出ていたので要約抜粋します。
世界のトッププロはなぜポリエステル・ガットを使うのか

【ポリエステルが主流に】
ポリエステル・ガットは,硬くて他のファイバーと接着が難しいためにモノフィラメントしかでき ず,張りにくく,弾力がなくて衝撃が大きいと長い間言われ,市場に出回ることがなかった.
しかし, ヨーロッパのジュニア選手がアンツーカーのコートで使い始め,トッププロになっても使い続けたこ とにより,飛び過ぎないというイメージもあって上級パワープレーヤーにも人気が出始め,ポリエス テルを使用した選手の活躍で一気にメジャーになったようである.
鋭いスピンの打球で知られている 世界のトップ・ナダル選手が使用しているのは,スピン・ガットではなく,ポリエステルである.
全米オープンでの世界ランク上位20位の選手の使用したストリングの種類は,表1に示すように,ポリエステルが 主流になっている.
女子のトップ20でも,男子に少し遅れて着実に毎年ポリエステル使用選手が増え ており,2004年度からポリエステルが主流になった(USRSA機関誌掲載データを一木公央氏が整理).
世界のトッププロの使用するガットの種類

超高速ビデオ画像解析から,ポリエステル・ ガットは,耐久性に優れているだけではなく,従来の世間の常識とは相反して,スピン性能が優れて いるためにボールの飛びが抑えられ,コントロール性に優れており,衝撃振動も少ないことがわかった。

ストリングの摩擦が大きいほどスピンがかかるという従来の仮説とは反対に,摩擦が小さ くて縦糸と横糸がお互いにすべって交差点がずれ,縦糸が横に伸びて戻るときの復原力によりスピン 量が増す.
ストリングス交差点を潤滑すると,ボールにスピンがかかりやすくなる.
スピン量が増 すと接触時間が長くなり,ラケットや手に伝わる衝撃振動も低減する.
図2は,(a) ストリングを離 れた直後のボールのスピン速度,(b) ボールとストリングスの接触時間,および (c) ストリングスを 離れた直後のボールの打球速度について,ストリングの交差点を潤滑した場合と通常のストリングス とを比較したものである.ストリングは,ナイロン製を50ポンドで張り,1日3時間,1週間使用し た後に実験し,3回の試行の平均値と標準誤差を示している.

潤滑した場合のスピン量は 30 % 増し,接触時間は 16 % 長くなり,打球速度は 6 % 低減する[1]-[4].
ストリングを張って時間が経過すると, 一般にストリングの交差点にノッチ(溝)ができて,インパクトにおいて縦糸と横糸が滑りにくくな り,縦糸が横にずれにくく,ずれても戻りにくくなり,スピン性能が低下する.ストリング交差点を 潤滑すると,縦糸が横にズレやすく,ボールがストリングスに食い込みやすく,スピンが良くかかる.
スピンがかかりやすいと,コントロール性とホールド感が増す.

図3は,天然ガットとシンセティック・ ガットをそれぞれ40ポンドと70ポンドで張ったストリングスとパゲッティ・ストリングのスピン量の
比較である.プラスティックのチューブを使って摩擦を減らしてストリングを滑りやすくしたスパゲ ッティ・ストリングは通常のストリングスの2倍近くのスピンがかかる[5].

【結論:ストリングの摩擦が少ないほどスピンがかかる】
スピン・ガットと呼ばれる表面の摩擦が大きいナイロン系より,摩擦が少ないポリエステルのようなストリングの方が,スピンがかかりやすい可能性がある.
すでに,ナイロン系に代わってポリエス テル系が主流になっており,ハイブリッドを含めると,世界のほとんどのトッププロがポリエステル 系を使用している.従来のストリングの設計概念が大きく転換する可能性がある.
以上の詳細のレポートのダウンロードこちら
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